肥満症の前兆や初期症状について
肥満症の初期段階では、体重が増え続けたり、服のサイズが合わなくなったりすることがあります。
体重の増加により身体に負担がかかり、階段を上るときに息切れしたり、歩行や立ち仕事で足や腰に負担を感じたりすることがあるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の発症により、いびきをかいたり寝ても疲労感が残っていたりなど、睡眠の質の低下がみられることもあります。
すべての症状が必ずしも肥満症とつながっているとは限りませんが、複数当てはまる場合は注意が必要です。
早期発見や早期治療のため、症状を感じたら医療機関での相談をおすすめします。
肥満症の検査・診断
肥満症の診断は、BMIと肥満にともなう11種類の健康障害の有無、または内臓脂肪型肥満かどうかによっておこないます。
BMIとは、肥満や痩せの指標として用いられている指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出できるものです。
日本肥満学会の基準では、BMIが25.0以上で肥満と判定されます。
以下の項目は、肥満にともなう11種類の健康障害です。
耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
脂質異常症
高血圧
高尿酸血症・痛風
冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
月経異常、不妊
睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
運動器疾患:変形性関節症(膝、股関節)・変形性脊椎症、手指の変形性関節症
肥満関連腎臓病
内臓脂肪型肥満の判定には、腹囲測定の値を用います。
この場面でいう腹囲とは、ズボンの採寸をするウエストではなくへその位置を指し、男性では85cm以上、女性では90cm以上が基準です。
内臓脂肪型肥満は、皮下脂肪型肥満と比べて生活習慣病と強く関連しているため、注意を要します。
内臓脂肪とは、名前の通り内臓に付いている脂肪で、摂取したエネルギーの貯蔵庫となる重要な物質です。ただし、多すぎると高血圧や糖尿病、脂質異常症などを招くため、過剰な蓄積には注意しなければなりません。
これらの結果を総合的に判断して肥満症と診断します。
配信: Medical DOC