急性心膜炎の概要
急性心膜炎は、心臓を包んでいる心膜に炎症をきたす病気です。
原因はウイルスや細菌の感染がほとんどですが、がんや自己免疫疾患などの病気や、治療や手術によって引き起こされる場合もあります。
急性心膜炎の大半は後遺症もなく完治し、予後はおおむね良好です。
ただし、心膜が石灰化、線維化あるいは肥厚することによって心不全の原因となる病気になることもあります。
心のう液が溜まる心タンポナーデという重篤な病気になることもあり、注意が必要です。
急性心膜炎の原因
急性心膜炎は原因不明なもの(特発性)と原因が特定できるものに分けられます。
特発性の急性心膜炎
急性心膜炎の大半は、特発性に分類され、発症時の具体的な原因を特定できない場合がほとんどです。
新型コロナウイルスのようなウイルスや、結核菌のような細菌による感染症が発症のきっかけになることが多いと言われています。
原因が特定できる急性心膜炎
急性心膜炎を引き起こす原因が特定できるものには、全身性エリテマトーデス(SLE)や関節リウマチのような自己免疫疾患があります。
がんによる心膜への浸潤、心筋梗塞も急性心膜炎の原因の1つです。心臓手術や放射線治療、薬物治療でも、急性心膜炎が引き起こされる場合もあります。
がんや結核などの病気よって急性心膜炎が引き起こされた場合、心タンポナーゼの合併症が多く見られる傾向があります。
配信: Medical DOC