急性心膜炎の治療
急性心膜炎は、心臓を取り囲む心膜の炎症によって引き起こされる疾患であり、早期に適切な治療を行うことが重要です。
治療方針は、症状の重症度や原因に応じて異なりますが、基本的には薬物療法を中心とした対症療法が選択されます。また、特発性と非特発性の急性心膜炎、さらには重症化した場合の心タンポナーデなど、治療のアプローチもさまざまです。
薬物療法では、胸痛や炎症を和らげるためにアスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性の抗炎症薬を服用し、安静を保って経過を観察します。
心タンポナーデを発症した場合には、超音波でで心のう液が溜まっている部分を確認し、心のう液を排出して減圧をはかる心嚢穿刺(心嚢ドレナージ)が行われ、心臓のポンプ機能を改善します。
一般的に特発性の急性心膜炎は、1-3週間程度で治ることがほとんどで、後遺症もなく完治します。血液検査でCRP(炎症を示す値)が正常の値になるまでは、身体活動の制限が必要です。
一方、自己免疫疾患やがんのような病気と合併している急性心膜炎では、心膜炎の治療よりも基礎疾患の治療が行われます。
がんが心膜に浸潤することで引き起こされる急性心膜炎では化学療法や放射線治療が行われます。
急性心膜炎になりやすい人・予防の方法
急性心膜炎は心筋へのウイルス感染が主な原因であり、特に免疫力が低下している人は注意が必要です。
免疫力を高く維持できるよう、食生活や生活習慣を見直しましょう。
すでに心膜炎を発症した経験がある場合には、激しい運動をすると心膜炎の症状を持続させたり、再発させるリスクになります。
そのため、激しい運動を数ヶ月は控えることが必要です。
また、心筋炎を合併した場合には、半年以上の間は激しい運動を控えましょう。
結核
新型コロナウイルス
がん
参考文献
欧州心臓病学会 心膜疾患の診断と管理のためのガイドライン
日本心臓財団心筋炎とは
日本循環器学会心筋炎の診断・治療に関するガイドライン
配信: Medical DOC
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