「たかが200~300円」…と小銭を使う人は、年間いくら“ムダ”にしているのか?【FPが計算&解説】

「たかが200~300円」…と小銭を使う人は、年間いくら“ムダ”にしているのか?【FPが計算&解説】

 ラテマネーという言葉をご存じでしょうか? これは「コーヒー1杯分程度の少額の出費」を指す言葉です。この出費は1回あたりは少額でも、長期で見ると驚くほどの金額に膨れ上がることがあります。本記事ではラテマネーの実態と、ムダな出費を防ぐための具体的な対策を、ファイナンシャルプランナーの筆者が解説します。

少額のムダが大きな出費に「ラテマネー」とは何か?

 ラテマネーは、アメリカの資産アドバイザー、デヴィッド・バック氏が著書「オートマチック・ミリオネア」で提唱した考え方です。本の中で彼は「小さな出費を意識して節約することが資産形成につながる」と説明しています。

 ラテマネーの特徴は「本当に必要かどうかを深く考えずに出費してしまう」点。代表的な例として、次のものがあります。

・毎朝のコーヒー代
・コンビニでのついで買い
・自動販売機での飲み物購入
・スマホゲームの少額課金
・ATM手数料

 これらの出費は1回あたりは少額ですが、積み重なると意外と大きな額になることがあります。例えば、仕事中に毎回150円の飲み物を自動販売機で買うとすると、年間で約3万6000円(150円×約245日)の出費に。このように、小さく思える出費も長い目で見ると無視できない金額になるのです。

 さらに、ラテマネーは家計の見直しを難しくする原因にもなります。金額の大きい買い物は印象に残りやすい一方で、少額の出費は意識しづらく、見逃しやすいからです。結果として「気付いたらお金がない!」という事態になりかねません。


ラテマネーのイメージ

「少額だから」が重なるとどうなるのか?

 ラテマネーを見直すには、自分がどれだけラテマネーを使っているかを把握しましょう。

 まずは数週間から1か月ほど、自分の支出を記録します。簡単に紙に書き出しても良いですし、家計簿アプリを使うと自動的に記録されるので便利です。

 毎日のコーヒー代やコンビニでの小さな買い物など、全ての支出をリストアップすると、自分の消費パターンが分かってきます。「これぐらいなら」と思っていた支出が、積もり積もって大きな額になっていることに驚くかもしれません。

 ラテマネーの把握ができたら、次に具体的な節約方法を考えてみましょう。例えば、次の対策があります。

・水筒を持参して、カフェや自動販売機での購入を減らす
・スーパーを利用して、コンビニに行く回数を減らす
・スマホゲームの課金上限額を月ごとに設定する
・利用頻度の低いサブスクを解約する
・ATM手数料のかからない時間帯や銀行を利用する

 他にも、よりコスパの良い消費に切り替えるのも有効です。

 毎朝チェーン店でコーヒーを買う習慣がある場合、週5日で約1900円(約380円×5日)掛かります。これを見直して、週に1度カフェで800円のコーヒーを楽しむようにすれば、少額でより満足度の高い時間を過ごせるかもしれません。

 これらの小さな工夫で、ムダな支出を抑えられます。まずは自分の消費パターンを見直して、どれだけのラテマネーが発生しているかを把握することが、賢い節約の第一歩です。

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