選ぶ「基準」がわからないのかも…
「選べないのではなく、選ぶ基準がないのではありませんか?」とうかがうと、「確かにそうです」とお答えになる方も一定数います。幼少期から親や周囲の言うことを、キチンと守る「真面目で聞き分けの良い人たち」に多いです。
「自分の人生の主人公は自分」です。しかし、自分の中に判断基準が持てないため、主人公という感覚が苦手な人たちともいえます。そして、この自分という存在感の希薄さが、自尊感情にも悪影響を与えます。では、どのように対処すれば良いのでしょう?
外的基準で判断する人の多くは、周囲の視線を過度に気にします。周囲の視線を気にしすぎるから、自分の基準が持てないと考えることもできます。そうであるのならば、改善する方法は「自分から周囲を見る」です。
他者の視線が気になる人に対して、「気にしないことだ」というアドバイスを耳にします。この結果、周囲との関係を断つ人もいますが、これは逆効果です。イメージしてください、誰もいない孤島に一人で暮らす自分の姿を。テレビや電話・新聞、もちろんパソコンなどのネットもありません。その生活を生涯続けたとします。楽しさが実感できるでしょうか?確かに、視線を感じる不安や恐怖感からは解放されます。しかし、孤独や孤立から生じる新たなマイナスな思いに悩むことになります。
周囲の視線が気になる場合、その対策は「自分からも見る・聞く・感じる」ことです。
コミュニケーションと同じと考えてください。視線のやり取りという交流です。相手からの視線を受け取ったのならば、今度はあなたが相手に視線を返す番です。一方的に受け取ってばかりのため、相手から感じる不安感が増してしまうのです。次の『五感を取り戻す方法』に取り組んでください。周囲の視線を感じる際の緊張感がゆるみます。
五感を取り戻す
選ぶ基準が無い場合の対処法
自分の五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を用いて、自分の周りのことを言葉として口に出してください。その際、「私は〇〇を見ている」「私は〇〇を聞いている」「私は〇〇を食べている」などのように、私を主語にすることがポイントです。自分を主語にすることにより、自分軸の感覚が芽生えます。
その際、自分にとって「気持ちの良いこと・心地よいこと・好きなこと」を見つけてください。「正しいことや間違えていること」ではありません。気持ちの良さや好きという感覚を持つことが、内的基準を育てます。
「私は〇〇が好き」これは、内的基準からの言葉です。これに対して「あの人が正しいと言っていた」「常識的に考えるのならば、これは正しい」これらは、外的基準からの言葉です。このように、好き嫌いのように好みで判断する場合は内的基準になります。正しさ、それも外部の意見などで判断する場合は、外的基準です。
このように『五感を取り戻す方法』は、あなたの心地よさを取り戻し、自分軸や内的基準を強化することが目的です。
配信: LASISA