手段の選択で迷う場合、目的を明確にする
ここまで「選ぶ基準がない人」について述べました。次に「選べない人」についてです。例えば、休暇に「海に行くか山に行くか」この二択で悩んだとします。あなたは、どのように考え選びますか?
解決する1つの方法として、『抽象度を上げる方法』があります。休暇の例であれば、次の問いかけをしてください。「海に行く目的は?」「山に行く目的は?」それぞれ、幾つかお答えください。答えの中に、共通の目的を見出すことができます。例えば「リフレッシュしたい」「癒されたい」などです。もし、リフレッシュが目的であれば、海でも山でもどちらでも、その目的は達成できます。つまり、本当の目的はリフレッシュであり、海や山で過ごすことは手段ということがわかります。
このように『抽象度を上げる方法』は、真の目的を見つけることが目的です。そして、あなたの中にある本当の目的に気づかない場合、海か山かという手段の選択に悩みます。このように手段の選択で悩むケースが多いです。
ここまで理解できても、それでも選べない人もいます。その理由は、「未来は100%予測できない」ことに起因します。リフレッシュが目的で、休暇を山で過ごすことにしたと仮定します。それでもなお、当日の天候や道の渋滞、体調など、不安はゼロにはなりません。
未来を100%言い当てることは不可能です。それがわかっていてもなお、選べない場合、これは「一歩進むのが怖い人」とも言えそうです。このような方々には、次の『過去の自分からのアドバイス』の方法をご紹介しています。
過去からのアドバイスをもらう方法
このワークは、椅子に座った状態で取り組んでください。
(1)今、あなたが選べない場面を1つ思い浮べてください。
(2)その場面と似た過去の場面、どちらにしようか迷った場面などを、1つ思い出してください。
(3)あなたにとって、過去をイメージしやすいのは、自分の左側と右側のどちらですか?ピンと来る感じで大丈夫です。感じる方向に、身体全体を向けてください。
(4)イメージしてください。あなたの目の前に、(2)で思い出した「その当時の自分や状況」が映し出されています。
(5)映っている過去の自分に対して、今のあなたから何かしらアドバイスをしてください。ホッとできる言葉なども添えるのもOKです。
(6)上記の(5)のアドバイスとまったく同じことを、今の悩んでいる自分自身にも伝えてみてください。
(7)そのアドバイスが今の自分にも効果的かどうか、考えてみてください。もし、効果がなさそうな場合は、過去の経験は今のあなたにとっての反面教師です。得られたアドバイスと反対のことに取り組んでください。
私たちは、自分の考え方を手放すことが苦手です。これが、過去と似た場面で悩む要因でもあります。ただし、だからこそ、過去において効果のあったアドバイスが、今の自分自身に対しても有効となるのです。
配信: LASISA