筒井道隆が“天然のバカヂカラ”を発揮した「木村拓哉は主演以外もやったほうがいい」の提言はどこまで響くか

 8月27日放送の「ぽかぽか」(フジテレビ系)に事前告知なしで生出演した筒井道隆が飄々と正論を述べ話題になっている。

 この日はMCの1人である神田愛花が夏休みのため代打MCとして石田ひかりが出演。筒井と石田は1993年放送のドラマ「あすなろ白書」(フジテレビ系)でW主演した仲であり、この時に共演していた木村拓哉はこのドラマで演じた“恋の当て馬役”だった「取手くん」で大ブレイク。ほかのメインキャストだった西島秀俊、鈴木杏樹を交えた「あすなろ会」があるそうで、石田が筒井との今回の共演を木村に事前にLINEしたところ、「あいつ大丈夫なのかな」と返信があったと明かしていたが、結果は「ギリでセーフ」。最後まで「自分のものさし」で語った筒井に反響が寄せられている。

 昨年5月、木村主演のドラマ「風間公親―教場0―」(フジ系)第6話にゲスト出演した筒井は、木村と久しぶりに再会。筒井は木村が「なんかすごく大御所みたいになってて」と言い、「なんかみんな、すごくなんか(スタッフらが)『ははぁ~』ってやってて。(しかし筒井は木村に)『グッモーニン!』とか言って行っちゃって。そしたらなんか場違い感がすごかった」と振り返った。

 筒井の“同級生感覚”の軽い挨拶に対し、木村は「苦笑いしてました」。ただし撮影現場での木村については「あ、でも気さくでした」とも。続けて筒井は「あれ、良くないですよ」と切りだし、スタッフらの「崇め奉るような態度」について「寂しいと思いますよ。なんかそんな気がしますけどね」と木村の内心を推察。さらには「なんかトメ(※映画やドラマのキャストテロップで最後に名前が出てくる、主役や2番手に次ぐ重要なポジション)とかやればいいのにねって思っちゃう。主演じゃなくて…と思うんスよ。2番手とかやると、また視点が変わるから、なんか楽しいと思いますよね。(現状の木村を)『え~、なんかもったいないな』と思って。たまに違うことやったほうが…」と多くの人々が感じていることを提言したのだ。

 筒井は53歳の現在でこそ名役者の1人だが、1990年公開の映画「バタアシ金魚」で主演デビューしてから20代前半までは、「トレンディー俳優」と呼ばれアイドル的な人気者に。「優柔不断だけれど女性にモテるキャラ」を演じさせたら右に出る者はいなかった。

 しかし筒井自身はそんな状況に苦しんでいたことを、2019年公開の映画「洗骨」の番宣で取材を受けた「テレ朝POST」に明かしている。三谷幸喜脚本による95年放送のドラマ「王様のレストラン」(フジ系)のオファーをきっかけに三谷の舞台作品を初めて観賞。笑わせること、泣かせることが上手な先輩たちを見て転機になったという。私は筒井を取材したことはないが、何十回も劇場や映画館ですれ違ったことがある。いつも変装などせず、Tシャツにジーパンとスニーカーといったラフな服装で、何かを見つめているのかぼーっとしているのか、よくわからない目をしているのが印象的だった。

 素顔の筒井を見かけるたびに「天然のバカヂカラ」という言葉がなぜか頭に浮かんできた。「ぽかぽか」を見ながら、できるだけ多くの映画やドラマのスタッフ陣の固定概念を筒井の提言がぶっ壊してくれたら、木村も幸せだろうなと思った。

(森山いま)

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