米津玄師 「廃品回収車の“お馴染みのフレーズ”から新曲誕生」秘話が物語った知られざる「人となり」

 8月25日放送の「日曜日の初耳学」(TBS系)に登場した米津玄師。これまでほとんど自身のことをテレビで話したことがなかったため、米津が作る音楽やイラストは知っていても、人となりは知らなかった多くの人々から反響があるようだ。

 たとえばファンの間では知られている、廃品回収車から流れてくる「壊れていてもかまいません」というお馴染みのフレーズについて米津は、「子どもの頃から好きな言葉があって。廃品回収業者ってあるじゃないですか。『こちら廃品回収センターです』みたいな、拡声器で走りながら『テレビ、パソコン、家電製品なんでも承っております』っていう。あれの一節に『壊れていてもかまいません』って言うじゃないですか。あれが何か子どもの頃からすごい耳に残ってて」と告白。

 公開中の映画「ラストマイル」の主題歌「がらくた」には、「壊れていてもかまいません」に触発されて生まれた歌詞が何度も登場する。

 米津はこのフレーズを「すごいこう、含みがあるというか、すごいニュアンスのある言葉だなと思って」と笑い、「すごく淋しい響きもあるし、同時に懐が広いなって。“壊れていてもかまわない”って包み込むような懐の広さがあったり。別に壊れてたっていいじゃないか、っていう。人間誰しも、どこか壊れている部分があるし。そういうものをひとりひとり抱えながら生きているわけだし。完膚なきまでにノーミスで生きてきた人間なんて1人もいないと思うし。そういうものを、少なくとも自分は肯定したいなっていう風に思ったので、そういう気持ちで作った曲かもしれないです」と新曲「がらくた」の誕生秘話を明かした。

 ほかにもインタビュアーの林修が、米津のニューアルバム「LOST CORNER」に収録されている「毎日」と言う楽曲で、石川啄木の第1歌集「一握の砂」に収録された「はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」の「ぢっと手を見る」を歌詞に引用していることから、同じ歌集にある「一度でも 我に頭を下げさせし 人みな死ねと いのりてしこと」という歌が好きだと明かすと、米津は「はいはいはい、わかります」と笑顔を浮かべて同意。「なんかすごいセキララですよね」と言い、「これを言うと、だいたいみんな引いてたんですけど、認めてくれたの(米津が)初めてですよ」と林が米津の言葉に喜ぶシーンもあった。「好きなことだけやってきたらこうなってしまった」「それ以外のところは何もできない人間として生きてきてしまったなっていう負い目のほうが大きいかもしれない」などと自嘲気味に自己紹介していた米津。米津の言葉を信じるも信じないも自由だ。

(森山いま)

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