「もしかして…?」摂食障害のサイン
編集部
摂食障害になりやすい人というのはいますか?
酒井先生
「意思が強い人」や「美的な意識が高い人」などは、少し注意が必要です。私はよく「成功したダイエットは過食症の第一歩」と伝えることがあるのですが、「食べたい欲求を必死に我慢したらダイエットに成功した」といった成功体験が、摂食障害を引き起こすこともあるのです。
編集部
摂食障害を周りが早期に気づいてあげるにはどうしたら良いですか?
酒井先生
急激な体重の変化や先述の症状がみられた場合はもちろんですが、トイレの回数の増加、歯の形の変化(歯のエナメル質減少による)、冷えや生理不順の訴えなども摂食障害のサインの可能性があります。
編集部
摂食障害が疑われた場合、どうすれば良いのでしょうか?
酒井先生
現時点では明確な効果が立証されている治療法は確立されていない状態ですが、それでも程度にかかわらず、可能であれば一度専門家に相談することをお勧めします。過食症については、効果があるとされているお薬がいくつかありますが、いずれも日本では認可されておらず、扱っている医療機関はごくわずかです。過食症に悩んでいる人は、それでも探してみる価値はあると思います。
編集部
最後に、MedicalDOC読者へのメッセージをお願いします。
酒井先生
「摂食障害は心が弱い人がなるもの」というイメージがあるかもしれませんが、どちらかというと「意思が強く、一度決めたらやり通す!」という人にリスクが隠れています。まずは「無理なダイエットはしない」「一度成功したからといって何度も繰り返さない」といったことを意識してもらえたらと思います。また、周りに摂食障害の人がいたら「もっと食べなよ」「食べ過ぎじゃない?」などとは言わず、本人が辛そうな時に話を聞いてあげるといった関わり方をしてもらえたらと思います。
編集部まとめ
摂食障害は、体にとってだけでなく心にとっても深刻な病気です。効果的な治療法が確立されていない疾患ですので、まずは摂食障害に対する正しい知識を持ち、早期に発見し、一人ひとりができることをサポートしていくことで、回復への手助けになればと思います。
配信: Medical DOC