作家・佐々涼子さん「悪性脳腫瘍」で逝去 良性・悪性の違いや前兆となる“4つの初期症状”を医師が解説

作家・佐々涼子さん「悪性脳腫瘍」で逝去 良性・悪性の違いや前兆となる“4つの初期症状”を医師が解説

「脳腫瘍の初期症状」についてよくある質問

ここまで脳腫瘍の初期症状などを紹介しました。ここでは「脳腫瘍の初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳腫瘍を発症すると目にどのような初期症状が現れますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

目の症状は腫瘍の種類によって異なります。必ずしも初期に目の症状を自覚するとは限りませんが、代表的な症状の一部を紹介します。
下垂体腺腫では両側の外側の視野が見えにくくなる症状(両耳側半盲)が見られることがあります。また、脳幹部の腫瘍では、目の動きが悪くなりダブって見える症状(複視)や眼球が縦あるいは横に揺れる症状(眼振)などが出現することがあります。

脳腫瘍の初期症状に物忘れはありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

記憶・認知機能に関する脳領域に脳腫瘍が発生したり、脳腫瘍の増大に伴ってむくみを生じたりすると物忘れ症状も出現する可能性があります。

脳腫瘍の初期症状は小児と成人で異なりますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

脳腫瘍の主な症状は、小児も成人も頭蓋内圧亢進症状や脳局所症状、けいれん発作であり同様です。成人の場合には大脳に脳腫瘍ができることが多いために脳局所症状が出やすくなります。一方で、小児の場合には半数以上が脳幹部や小脳に脳腫瘍ができるために脳脊髄液という頭の中にある液体の流れが悪くなり頭蓋内圧亢進症状が出やすくなるという違いがあります。
また、乳幼児期の場合には、頭囲の拡大によって頭蓋内圧亢進症状が軽減されてしまうことや、自覚症状をうまく表現することができないことなどによって発見が遅れてしまうことがあることも小児の脳腫瘍の特徴の一つです。

脳腫瘍の罹患率が多くなるのは何歳以上からですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

好発年齢は脳腫瘍の種類によって異なりますが、脳腫瘍全体では50歳前後の成人に多く発症すると言われています。

編集部まとめ

脳腫瘍は、原発性脳腫瘍(脳の細胞や神経・脳を包む膜などから発生する腫瘍)と転移性腫瘍(身体の他の部分でできた腫瘍細胞が脳に転移した腫瘍)とに分類されます。良性腫瘍も悪性腫瘍もどちらもあり、腫瘍の発生した部位によってさまざまな症状が出現します。
脳腫瘍の原因の多くは分かっておらず、確立された予防法はありませんが、他のがん病変と同じように、健康的な生活習慣や適切な栄養摂取などが重要です。
腫瘍がある程度成長した段階で脳腫瘍の初期症状は出現するため、その症状の原因が脳腫瘍であるならば、早めに治療を開始するに越したことはありません。起床時の頭痛や嘔吐を繰り返している、あるいは、視力障害やけいれんなどの症状が現れたなどの場合、早めに医療機関を受診するようにしてください。

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