フィナステリドが効かない原因は?治療薬以外の脱毛症への対処法も解説

フィナステリドが効かない原因は?治療薬以外の脱毛症への対処法も解説

治療薬以外の脱毛症への対処法

薄毛への対応は治療薬がすべてではなく、髪の成長を妨げるようなことはできるだけ避けるべきです。例えば栄養バランスや飲酒など、生活習慣のなかにも抜け毛に関連する要素が多く存在するので、いくつかのポイントを挙げて対処法を解説します。

バランスのとれた食事を心がける

栄養バランスは髪の成長に大きく影響する要素です。髪の毛はほとんどがケラチンというタンパク質でできています。ケラチンは肉や魚に多く含まれるアミノ酸から合成されますが、それには亜鉛やビタミンB群のサポートが必須です。
一方で、髪が生える基盤である頭皮環境も重要で、脂質が過剰な食事では、頭皮の皮脂が増えて頭皮環境が悪化します。抗酸化作用を持つビタミンCや、血流を促して栄養を確保するビタミンEも頭皮には不可欠な栄養です。
こういった必要な栄養が適切に確保できるよう、バランスの取れた食事を心がけてください。

過度の飲酒や喫煙を控える

アルコールの分解過程では一時的にアセトアルデヒドができます。過度の飲酒で多くのアセトアルデヒドができると、DHTの産生を促し薄毛を助長する悪影響を及ぼします。
また、アルコールの分解時に多量のアミノ酸やビタミンを消費する点も、髪の成長を阻害する要因です。喫煙では、ニコチンの影響で血管が収縮し、毛根への栄養供給を阻害します。
さらに、喫煙で生じる活性酸素は、毛母細胞を老化させて髪の成長力を落とす原因です。飲酒・喫煙は控えめにしておきましょう。

睡眠時間を確保する

睡眠は髪の成長に深く関わり、髪を成長させるホルモンは眠りに入って3時間までに多く分泌されるといわれます。眠りには波があり、深い睡眠と浅い睡眠が90分間隔で繰り返されるパターンです。
成長ホルモンはこの波の1~2回目に分泌され、さらに毛母細胞の細胞分裂も同じ頃にピークを迎えます。寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見つめていると、眠りの波が不規則で質の低い眠りになりがちです。
こうならないように、寝る前は読書などで静かに過ごして質のよい睡眠時間を確保しましょう。

頻回のカラーリングを避ける

カラーリングが薄毛に直接結びつくわけではありません。ただ、過度に行うことで髪や頭皮にダメージを受け、それが原因になる可能性はあります。
ヘアカラーの成分が髪にダメージを与え、細くなったりコシがなくなったりします。その結果、ボリュームがなく薄毛のような印象になるのです。
また、薬剤の影響が頭皮にもおよび、赤み・腫れ・かぶれを伴う接触皮膚炎がおこります。頭皮の環境が悪化して、抜け毛の増加から薄毛に至る症状です。これを防ぐため、頻回の使用はできるだけ避けてください。

編集部まとめ

AGAの治療薬として広く使われているフィナステリドでは、DHTの生成を抑えることでAGAの進行を抑え、6ヵ月以上の継続治療によって高い確率で改善が見られます。

それでもときとして効かない事例が見られますが、そのほとんどが適切ではない判断・服用方法によるものです。正しく使うことで、AGAによる薄毛の多くは改善できます。

また、生活習慣に起因する薄毛も存在しますが、これは治療薬でなくても生活習慣の改善で対応可能です。わずかな改善で薄毛は改善できるので、実行してみましょう。

参考文献

脱毛症 他の病気と関連する脱毛はありますか?|公益社団法人 日本皮膚科学会

抜け毛を防ぐ生活上の注意点はあるでしょうか?|公益社団法人 日本皮膚科学会

「高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明」―幹細胞における炎症・再生シグナルの異常が毛包の萎縮を引き起こす―|東京大学医科学研究所

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