フィナステリド(プロペシア)による生え際の薄毛治療|副作用や注意点も解説

フィナステリド(プロペシア)による生え際の薄毛治療|副作用や注意点も解説

「最近、なんとなく額が広くなっている気がする…」

朝、鏡を見た時などそう思ったことはありませんか?

普段から意識的に生え際の後退を確認する人は少ないため、気付いた時にはかなり薄毛が進行している可能性があります。

さらに目の届きにくい頭頂部などは、、自分では薄毛に気付きにくいです。もしも生え際の後退に気付いたら、早い段階での適切な治療が必要でしょう。

この記事を読めば、フィナステリドの効果だけでなく、副作用や注意点などもわかります。安全性の高いAGA治療を行いたいという方は、ぜひ最後までお読みください。

監修

フィナステリド(プロペシア)による生え際の薄毛治療とは?

AGAは「Androgenetic Alopecia」の頭文字で、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンによる男性型脱毛症を意味します。
額の生え際が後退したり、頭頂部が薄くなったりする進行性の疾患ですが、病気ではありません。このAGAの治療によく使われるのが、プロペシア錠剤(一般名:フィナステリド)という薬です。ここでは、フィナステリドについて以下のポイントをわかりやすく解説します。

効果・効能

有効成分「フィナステリド」は、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変化する酵素(5α還元酵素II型)を阻害し、AGAの原因となる活性型男性ホルモンを作られにくくする効果があります。
成人男性は1日1回1錠を服用することで、以下のような効果が期待できるでしょう。

抜け毛を減らしてAGAの進行を抑える

活性型男性ホルモンが頭皮を攻撃するのを防ぐ

薄毛を予防・改善し、進行を遅延させる

このような優れた治療効果に加え、フィナステリには大きな副作用が少なく、安全性が高い薬といわれています。
1日1回飲むだけの簡単で続けやすい治療法に加え、費用が手頃なのもメリットでしょう。

適用となる脱毛症

フィナステリドは、思春期以降の男性の進行性脱毛症に対してのみ適用されます。男性における男性型脱毛症の進行遅延にのみ適応するためです。
女性の薄毛対策や男性の円形脱毛症などには適用されません。また、生え際が後退してくるタイプの薄毛に対しても効果はあまり高くないのもデメリットでしょう。

効果が現れるまでの期間

フィナステリドの効果が現れるまでの期間は、3~6ヵ月程は必要です。AGAの状態や薄毛の進み具合によっても個人差があるでしょう。早い方では服用を始めてから3ヵ月程で、徐々に効果が実感できるようになります。
見た目で毛の増え方を実感できる程度の効果を得るには、少なくとも6ヵ月程はかかるかもしれません。フィナステリドによるAGA治療は、1日1回決められた量をきちんと服用し、長期間継続することで効果を得られるものだと理解してください。

フィナステリド(プロペシア)の副作用

フィナステリドの一般的に知られている副作用は、性機能・肝機能障害があげられます。稀にほかの副作用が生じる可能性があるので、以下にそれぞれ説明します。

掻痒感

発症頻度は低いものの、フィナステリドの成分にアレルギー反応を起こす方がいます。服用後30分以内に皮膚の掻痒感・かゆみの症状が現れたら、服用を止めて医療機関を受診しましょう。
また、ほかの薬・サプリメントも含めて一般用医薬品を服用中の方は、フィナステリド投与前に医師に相談してください。

蕁麻疹

服用する方の体質によっては、フィナステリドの成分でアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
蕁麻疹は一度だけ発症する急性蕁麻疹の場合がほとんどで、繰り返し起きても1ヵ月以内に起こらなくなります。フィナステリドの副作用としてアレルギー性蕁麻疹の皮膚症状が現れた場合は、薬を飲むのをいったん中止して医師の指示を仰ぎましょう。

発疹

発症頻度は極めて低いものの、フィナステリドの内服によって皮膚が過敏になる可能性があります。
皮膚の湿疹・発疹といった皮膚異常の症状が副作用として現れた場合、フィナステリドの使用を止めて、医師に相談してください。

血管浮腫

血管浮腫は、皮下組織に現れる腫れ・むくみの症状です。フィナステリドの副作用として、血管浮腫が顔・喉・消化管・気道などに発症する可能性があります。
むくみは全身に現れますが、特に顔など目に見えやすい箇所がむくみやすいので注意しましょう。

リビドー減退

妊活中・これから子作りを考えている男性が気をつけたい副作用が「リビドー減退」と呼ばれる性欲の減退でしょう。フィナステリドは男性ホルモンを抑制する効果があるため、勃起機能不全(ED)・射精障害・精液量の減少といった性機能の低下に関した副作用が出る可能性があります。
製造元のオルガノン株式会社によると、性欲減退は1〜5%未満・勃起不全は1%未満ととても低い発症率なので、心配し過ぎる必要はないかもしれません。

抑うつ症状

フィナステリドは、AGAの原因となるジヒドロテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの産生を抑える薬です。一般的に、男性は男性ホルモンが減少すると抑うつ気分に陥りやすいといわれていますが、はっきりした原因はわかっていません。
抑うつ症状は身体と精神の2つに大別されますが、顕著な身体症状は食欲不振・疲労感・不眠症などに現れます。併せて、胃部の不快感・睾丸痛など抑うつ気分を増幅させる症状も起こりうるでしょう。

めまい

フィナステリドの製品説明書によると、めまいの副作用についての記載はありません。しかし、併用している薬・アレルギー症などいくつかの条件が揃うと添付書にはない副作用が生じる場合もあるでしょう。
めまい症状もそのような副作用の1つで、自律神経の乱れ・服用中の体調の変化などによって現れる可能性があります。

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