フィナステリド(プロペシア)使用時の注意点とは?
通常の成人男性は、フィナステリドを1日1回0.2ミリグラムを服用します。薄毛の進行状態に応じて増量される場合もありますが、1日1ミリグラムが上限なので注意しましょう。多く飲めば早く効果があるというものではありません。
自己判断で薬の量を増減したり、ピルカッターで分割するのも厳禁です。口腔内の粘膜を刺激するので、薬剤を噛む・粉砕して服用するなどの行為は慎んでください。医師の処方に従い、1日の摂取量を守りましょう。また、以下のような方はフィナステリド服用に注意が必要です。
肝機能の低下や障害がある
これから前立腺がん検診を受ける予定がある
服薬と一緒に過度な飲酒をする
以前に薬や食べ物でアレルギー症状が出た
家族が妊娠・授乳中・または妊娠の可能性がある
ほかに薬・サプリメントなどを飲んでいる
順番に解説します。まず、フィナステリドという主成分は肝臓で代謝されますが、服用を続けることで肝機能障害を起こす可能性があります。肝機能に障害がある方は、担当の医師または薬剤師に伝えてください。
また、肝臓で分解される薬である以上、過度な飲酒と無関係ではありません。アルコールと薬を分解するのに肝臓に大きな負担がかかり、肝機能の低下が起こりやすくなるので注意しましょう。適量の飲酒であれば大きな問題はないとされていますが、お酒と一緒に飲むとフィナステリドの作用が増殖して副作用が出やすくなるので、服薬して時間をおいてから飲酒するようにしてください。
次に、フィナステリドを服用すると、前立腺がんの発見に有効なPSA検査の値を下げてしまいます。そのため、これからPSA検査を受ける予定の方は医師と相談しましょう。
フィナステリドは、女性男性型脱毛症(FAGA)に対する有効性は認められていません。家庭において妊娠中の女性が分割・粉砕したフィナステリドを誤飲すると、「ジヒドロテストステロン低下作用」と呼ばれる薬理作用によって男子胎児の生殖器官の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中の女性が触るだけでも経皮吸収される危険性もあるので、管理には十分注意してください。
最後に、AGAの進行具合に関わらずミノキシジル・ビタミンといったサプリメントの摂取も勧められた場合、副作用の症状が出る場合があります。しかし、フィナステリドだけを服用した場合は動悸・むくみといった症状は出ません。もし、ほかの薬との併用が気になる方やアレルギー体質である方は、服用前に医師に相談してください。
編集部まとめ
今回は、フィナステリドによる生え際の薄毛治療について効能から副作用までを解説しました。
脱毛の原因はさまざまで、症状も個人差がありますが、生え際の後退に気付いたら治療を開始するタイミングです。たかが薄毛と放置していたら、時間の経過とともに毛髪の成長に欠かせない毛穴・毛根などの状態が悪化してしまうでしょう。
ただし、フィナステリドに限らず薬全般にいえることですが「薬はリスク」であり、副作用と表裏一体であることも頭に入れておきましょう。今回お伝えした副作用・注意点も念頭に、髪専門の医師による診断の上、適切な治療を行ってください。
参考文献
5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬男性型脱毛症用薬劇薬、処方箋医薬品注)フィナステリド錠0.2mg/フィナステリド錠1mg
フィナステリド錠0.2mg「SN」|一般社団法人 くすりの適正使用協議会
蕁麻疹いつになったら治るのでしょう?|公益社団法人 日本皮膚科学会
配信: Medical DOC
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