「脳梗塞の代表的な5つの症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「脳梗塞の代表的な5つの症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

脳梗塞の症状とは?Medical DOC監修医が脳梗塞の症状・前兆・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

≫「脳梗塞の原因」はご存知ですか?初期症状・なりやすい人の特徴も医師が解説!

※この記事はMedical DOCにて『「脳梗塞の症状」はご存知ですか?前兆となる症状・予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)

医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「脳梗塞」とは?

脳梗塞とは、脳の血管が狭くなったり、血管内に血の塊(血栓)が詰まったりすることで、詰まった部分より向こう側へ栄養となる血液を送ることができなくなり、結果として脳細胞が死んでしまう病気です。
脳梗塞の主な原因は、動脈硬化と血栓(血の塊)形成です。
動脈硬化は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、加齢現象によって、血管が硬くなって動脈の壁が厚くなった状態です。血管壁が徐々に厚くなるために、血液の通り道が狭くなってしまいます。
血栓(血の塊)は、不整脈や弁膜症などの心臓病や、長時間足を動かさないことなどによって作られます。何らかのきっかけで血栓が脳の血管の中に飛んでいくと、脳の血管が詰まる可能性があります。
脳梗塞は一度発症してしまうと、ダメージを受けた脳細胞は回復しません。そのため、速やかに治療を行うことと、発症予防および再発予防が重要です。これから詳しく解説していきます。

脳梗塞の代表的な症状

脳梗塞の症状は多彩です。ダメージを受けた部位・領域によって失われる脳機能はそれぞれ異なるからです。ここでは代表的な脳梗塞の症状を説明していきます。脳梗塞の症状は、以下のような症状を突然発症した際には、すぐに医療機関への受診をするようにしてください。

運動麻痺

運動麻痺とは、筋力が低下するために、思うように体が動かない状態のことです。
具体的には、手や腕に力が入らない、足に力が入らず歩行時に斜めに歩いたり転倒してしまう、顔の動きが悪くて顔が曲がっている、よだれが垂れてしまうなどの症状が現れます。

感覚障害

感覚障害とは、感覚が過敏であったり鈍く感じたりするような感覚神経の異常な反応が生じた状態のことです。
具体的には、全身のどこかの部位に、ピリピリとしびれた感じがする、触った感触が鈍い、体の一部が自分の体ではない感覚になるといった症状が現れます。

構音障害

いわゆる「呂律がまわらない」「呂律が悪い」ことを、医学用語で構音障害といいます。
脳梗塞による構音障害は、運動機能の問題によって口や舌がうまく動かないために起こります。例えば、口の動きが悪いと「パピプペポ」は言いづらく、舌の動きが悪いと「ラリルレロ」が言いづらくなります。このように一部の発音・発声が悪くなる場合もあれば、全ての発音が悪化する場合もあります。

嚥下障害

嚥下障害とは、食べることや飲み込むこと(嚥下;えんげ)がうまくできない状態のことです。口から食べ物や水分を摂取してそれを栄養にするという、普段行っていることが難しくなります。
嚥下障害がある場合に、普段通り食べ物を食べてしまうと、食べ物が本来通過するべき食道ではなく、隣にある気管に入ってしまい(誤嚥;ごえん)、むせ込みます。これを繰り返すことと肺炎を発症する危険性があります。
もともと嚥下障害は、加齢や喉の病気で起こりやすくなりますが、脳梗塞によっても生じます。脳梗塞は高齢者に発症しやすい病気であるため、加齢の影響だけでなく脳梗塞の影響も加わるために、リハビリを行いますが嚥下機能の回復には非常に時間がかかるという問題があります。

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、痛みや痺れがあるといったわかりやすい知覚障害や、手足や顔が動かしづらいといった運動障害の問題ではなく、さらに高いレベルで、知覚と運動を総合的にすることができなくなった状態のことです。
代表的な症状は、考えをまとめて話すことや記憶を留めておくこと、集中して取り組めなくなること、行動や感情をコントロールすることが難しくなることなどがあげられます。
そのため、運動麻痺などの症状がない場合には一見すると脳梗塞の症状がないように思われがちですが、日常生活ではさまざまな問題に直面して苦労することが多くなります。

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