●相談の敷居を低く、本人に届く支援体制を整える
ーー日本では2022年に厚生労働省と法務省が内密出産のガイドラインを公表しましたが、法制化には至っていません。
「韓国のベビーボックスや保護出産は赤ちゃんの命を救うことを第一に考えています。『消えた赤ちゃん問題』が、明らかになったとき、韓国では法制化を求めて、世論が高まりました。
もちろん保護出産制度で全てが解決するわけではありません。日本でも全国的に妊娠相談窓口が増えている状況で、2022年の児童福祉法改正では『困難を抱える妊産婦等に一時的な住居や食事提供、その後の養育等に係る情報提供等を行う事業』が創設されました。
今後も、赤ちゃんの命を守り、予期せぬ妊娠で悩む女性の状況に目を向け、相談の敷居を低く、本人に届く支援を整えていく必要があると思います。そうしながら、さらにどんな制度が必要なのか国民が議論を重ねていくことが求められます」
配信: 弁護士ドットコム