タウリンの効果とは?Medical DOC監修医がタウリンの効果・副作用・効果的な摂取方法などを解説します。
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監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
「タウリン」とは?
タウリンとは、生体中のほとんどすべての組織に存在している アミノ酸誘導体です。含硫アミノ酸である、メチオニンとシステインから合成されています。浸透圧調節やたんぱく質安定化、抗酸化・抗炎症作用があり、生体の恒常性維持のために重要な役割を果たしていると考えられています。タウリンは全身の細胞に分布していますが、心臓や肝臓、脳などは高濃度です。タウリンはヒトの体内に含まれている量は体重の0.1%です。適切なタウリン濃度を保つことは、細胞の正常な機能を維持し、健康維持にも重要です。なお、タウリンの成分は医薬品に含まれます。そのため、タウリンを含むものはすべて医薬品、医薬部外品として承認を受けている必要があります。
タウリンの効果・効能
肝機能を高める
タウリンは肝臓で胆汁酸の分泌や幹細胞の再生を促進し、細胞膜を安定させます。胆汁分泌を促進させた結果、 コレステロール値を低下させてくれるのです。細胞膜を安定させることで、肝臓の損傷や炎症を防ぐ効果もあるといわれています。ハムスターの実験ですが、タウリンを摂取した場合、高脂肪・高コレステロールのハムスターより肝臓サイズが小さく肝脂質が低いという結果が出ました。それはトリグリセロールと胆汁酸の産出量が多く、糞便コレステロールが高いためだと考えられています。そのため、ヒトでも脂肪肝予防の効果があると考えられているのです。
高血圧や動脈硬化の予防
タウリンを摂取することで、血管弛緩が誘発されるので循環器疾患に効果があると考えられています。交感神経が亢進しているときにタウリンを投与すると、血中アドレナリンやノルアドレナリン量が減少し、 血圧が低下することが報告されています。その他、アンジオテンシンの活性を抑制、ナトリウムの尿中排泄を促進する作用があるからです。高血圧が予防できれば、動脈硬化や血管内皮機能障害のリスクも低下させることができます。その他、タウリンの補給がアテローム性動脈硬化症の発症の進行を遅らせることが動物実験では実証されています。
脳や目の機能維持
タウリンは神経細胞やシナプスの膜を通るカルシウムイオンを調節し、過剰時に引き起こされる神経興奮状態を鎮める働きをします。これにより 怒りやストレス、目の疲れなどの興奮状態を鎮め、機能維持につながると期待されているのです。目の新陳代謝も促進するとされているので、角膜修復の作用もあるとされています。タウリンはすべての眼組織に含まれていることもわかっています。ラットの眼の研究の結果、タウリンは網膜・硝子体・角膜・虹彩・毛様体に有効的な豊富なアミノ酸であるとの報告があるからです。メカニズムはまだ明確ではありませんが、網膜では視細胞の発達に不可欠で、ストレス関連の神経損傷などの細胞保護剤として作用することもわかっています。
皮膚老化を防ぐ
皮膚の重要な働きの一つは、水分保持です。表皮や角質層の水分バリアが壊れることで皮膚老化やしわにつながります。タウリンは皮膚に多く存在しているので、タウリンを摂取することで表皮の水分調節能が保持され、 皮膚老化を防ぐことができます。
配信: Medical DOC