何度目かの夜にアサイージュースを飲んで悲鳴
それから何度かNさんの家に泊まりに行った愛佳さんは、その度に奥さんのアサイージュースをパックに直接口をつけて飲んでいたそう。
「何度も泊まっていたらすっかり慣れてきて、その日もNさんからリクエストされてチャーハンを作ってあげたんです」
するとチャーハンをひとくち食べ、吹き出してむせるNさん。おかしいと思い味見をしてみると…。
「何か甘くって。よく見てみたら、なぜかいつも塩が入っていた容器に砂糖が入っていたんですよ」
さほど気にせずに、ピザをデリバリーして食べて眠りについたNさんと愛佳さん。
「また夜中に目が覚めたので、いつも通りにアサイージュースを景気よくグビグビ飲んだら…今まで味わった事のないのどの刺激にビックリして吐き出し、悲鳴をあげながら水道で何度も何度も口をすすぎました」
なんとアサイージュースのパックの中身はお酢にすり替えられていたそう。
「あぁ、絶対奥さんの仕業だ!と思いました。私の存在に気づいて…これは威嚇のためのトラップに違いないと怖くなりましたね」
キッチンで動揺する愛佳さんに気がついたNさんがかけつけると…。
バイトをクビにされ、彼とも終わった
「私がアサイージュースの事や、さっきの塩と砂糖が入れ替わっていたのも、絶対に奥さんがやったんだと訴えるとNさんは震え上がっていました」
Nさんにタクシー代を渡されて、夜中に自宅に戻った愛佳さん。
「翌日、Nさんから電話がきてバイトをクビにされてしまいました。横に奥さんが居たのか、すごくぎこちない話し方でしたね」
そのまま愛佳さんとNさんは、自然消滅してしまったそう。
「まさか奥さんにバレてるなんて思わなくて…ホント恐ろしかったので、もう不倫なんてするもんじゃないなと反省しました」
それから愛佳さんは、アサイージュースをスーパーで見かける度に、Nさんや奥さんの事を思い出して苦い気持ちになるそうです。
―恋愛バトルの顛末―
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
配信: 女子SPA!
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