サナダムシ(条虫症)の前兆や初期症状について
サナダムシの感染は裂頭条虫、無鉤条虫であればほとんど症状がありません。
なぜなら、寄生しても腸内で活発に活動することはないためです。
人によっては腹痛や下痢、体重減少などの症状が発生します。
突然白くて長い虫が排泄物と一緒に出てくることで気が付くこともあります。
有鈎条虫の感染は囊虫症と言われ、作られた幼虫の袋が筋肉や皮膚の下であれば腫瘍ができるだけで重症化することはありません。
ただし、腸内でふ化した幼虫が腸を突き破り血管を通って全身に移動し、幼虫の袋が脳や脊髄、眼球、心臓などの主要な臓器に作られた場合は、意識障害や麻痺、失明等の重篤な障害を引き起こします。
囊虫症の潜伏期間はさまざまで、感染者でも何年も症状がないこともあります。
人々と放し飼いのブタが近接したところで暮らす地域では、てんかんの原因のうち有鉤条虫によるものが約30~70%を占めることもあります。
サナダムシ(条虫症)の検査・診断
腹部の不快感や排便時の違和感で受診した場合、医師の問診にて、過去1カ月程度の食歴を聴取します。
特に魚や肉の生食の食歴がある場合、サナダムシ感染が疑われ、以下の検査に移ります。
糞便検査
サナダムシの感染は排便時に虫体の一部が排泄され、その虫体を観察することですぐに診断ができます。
見た目に虫体がなくても、糞便中に虫卵や虫体の断片(片節)が含まれているかを顕微鏡で観察し、診断が可能です。
血液検査
サナダムシを含む一般的な寄生虫感染では血液検査で好酸球の上昇を認めます。
ただし、サナダムシの種類によっては上昇しない可能性もあり、確定診断にはなりません。
画像診断
サナダムシの感染で囊虫症が疑われる場合、CTやMRIなどの画像診断法を用いて、体内の条虫の存在を確認する方法もあります。
配信: Medical DOC