ケロイドの前兆や初期症状について
ケロイドの症状は、傷跡がみみず腫れのように赤く盛り上がり、元の傷よりも広範囲に広がることが特徴です。正常な皮膚にまでケロイド病変が広がっていくため、もとの傷の箇所よりも目立つようになります。
見た目以外の主な自覚症状としては、かゆみ、痛み、皮膚の引きつれ、そして側圧痛(横からつまむと痛みを感じること)があります。本来の皮膚の弾力とは異なり、硬くゴツゴツした感触になるのも大きな特徴です。
ケロイドは胸部、肩、背中、耳たぶなどの特定の部位に発生しやすいことが知られています。これらの部位は皮膚が引っ張られやすい場所であり、刺激が常に加わることでケロイドが発生しやすくなると考えられています。
これらの箇所に外傷ができた場合は、皮膚が必要以上に引っ張られないようにする工夫をし、場合によっては早めに病院で傷の治療をするようにしましょう。
ケロイドの検査・診断
ケロイドの診断では、問診、触診、病理検査を行い、ケロイドの症状の診察を行います。
病状の推移や経緯、症状や他の病歴や家族歴の確認を中心とした問診から始まるのが一般的です。
次に、皮膚の外見を詳細に観察し、患部の症状を診察します。盛り上がりの程度、色の変化、広がり方などを評価することが目的です。
問診や触診だけでは患部の判別が難しい場合などは、必要に応じて病変部の皮膚を一部採取し、顕微鏡で組織学的に検査をします。
ケロイドと混同されがちな疾患に「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」があります。
肥厚性瘢痕もケロイドと同様に、傷跡が治る過程で赤い盛り上がりが発生することが特徴です。ただし肥厚性瘢痕では、盛り上がりの症状が元の傷の範囲を超えることはありません。
肥厚性瘢痕は時間の経過とともに赤みや盛り上がりが落ち着いてくることもありますが、症状が悪化し、ケロイドへ移行することも珍しくありません。
そのため傷跡に異常がみられた場合は、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
配信: Medical DOC