口腔アレルギー症候群

口腔アレルギー症候群

口腔アレルギー症候群の治療

口腔アレルギー症候群の基本的な治療法は、原因となる果物や野菜の摂取を避けることです。診察及び検査でアレルゲンを特定し、それを除いた食事をすれば、症状の悪化や再発が防げます。

並行して、症状や重症度に応じて薬物療法や免疫療法を行います。

薬物療法

アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を内服することで、口腔アレルギー症状の緩和が期待できます。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応を抑えることで、かゆみや腫れなどの症状を緩和します。症状が軽度であれば、市販の抗ヒスタミン薬でも対処可能ですが、頻繁に症状が出る場合や、症状が重い場合は医師の処方を受けることが望ましいです。

もし口腔アレルギー症候群の症状が重く、アナフィラキシーショックを引き起こすリスクがある場合には、エピネフリン自己注射薬の携帯が推奨されています。エピネフリンは、強力なアレルギー反応を即座に抑える効果が期待でき、命を守るために重要です。医師の指導のもと使用方法を理解し、適切に使用してください。

免疫療法

免疫療法とは、アレルギーの原因になっているアレルゲンを少しずつ体内に取り入れることで体質を改善し、アレルギー反応を弱めていく治療法です。口腔アレルギー症候群は花粉症が影響していることが明らかになっているため、花粉に対して行われる免疫療法が口腔アレルギー症候群の症状軽減につながる可能性があります。

口腔アレルギー症候群になりやすい人・予防の方法

口腔アレルギー症候群は、花粉症やアレルギー体質の人が発症しやすい傾向があります。

先述のとおり、スギやシラカバ、ブタクサなどの花粉に対するアレルギーをもつ人は、交差反応を起こす果物や野菜の摂取で発症しやすいため注意が必要です。

また、口腔アレルギー症候群は遺伝しませんが、アレルギー体質の人はアレルギー疾患を発症しやすい傾向があります。そのため、家族にアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、喘息など)をもつ人がいる場合、口腔アレルギー症候群を発症する可能性があります。

口腔アレルギー症候群の予防方法は以下の3つが考えられます。

アレルゲンとなる食物を避ける

調理や熱処理加工を行う

花粉症の症状を抑える

口腔アレルギー症候群を予防する方法として確実なのは、症状を引き起こす果物や野菜を避けることです。事前にアレルゲンとなる食物を知っておけば、発症を未然に防げます。もし、アレルゲンを含む食物を摂取して口腔アレルギー症候群があらわれた場合は、再度摂取しないように注意しましょう。また、生の状態で食べ物を摂取することで口腔アレルギー症候群の症状が出やすいため、調理や熱処理加工を行うことも一つの予防策です。

さらに、花粉症が悪化すると口腔アレルギー症候群の症状悪化や発症リスクが高まるため、花粉症の症状を抑えることも重要です。抗ヒスタミン薬などを使用して花粉症の症状を抑える、普段からマスクを着用し花粉の飛散が多い季節には外出を控えるなど、花粉症対策を徹底しましょう。

なお、口腔アレルギー症候群によって息苦しさや意識消失などの重い症状が出たことのある人あるいは重症化するリスクがある人は、医師に相談のうえエピネフリン自己注射薬を携帯しておきましょう。

関連する病気花粉症

呼吸不全

ケロイド

アトピー性皮膚炎喘息蕁麻疹アレルギー性結膜炎

参考文献

National Library of Medicine「Oral Allergy Syndrome: An Update for Stomatologists」

一般社団法人 日本アレルギー学会「口腔アレルギー症候群」

奈良県医師会「口腔アレルギー症候群」

独立行政法人環境再生保全機構ERCA「よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」

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