診察料の決定要素
患者様が支払う診察料は、医療行為に対する点数や加算される報酬によって決まります。また、利用する医療保険によっても支払額が変わります。訪問診療の診療点数には、「在宅患者訪問診療料」、「往診料」、「在宅時医学総合管理料(在医総管)」があり、それぞれの内容をご紹介します。
在宅患者訪問診療料について
在宅患者訪問診療料は、在宅医療におけるメインの診療報酬です。看取りに関連する加算も設けられています。算定要件には、一般的な訪問診療の「在宅患者訪問診療料1」と他の医療機関から依頼があって行う「在宅患者訪問診療料2」の2つがあり、同一建物住居者以外の場合、前者では888点、後者では884点が加算されます。
往診料について
往診料は720点です。患者様からの求めに応じて訪問診療を行った場合に算定されます。また、往診実施時間に応じた加算も行われます。
在宅時医学総合管理料(在医総管)について
在宅時医学総合管理料(在医総管)は2750点で、診療所の体制(施設基準)によって点数が異なります。在宅患者訪問診療料とともに、在宅医療におけるメインの診療報酬となりますが、その計算は複雑です。厚生労働省が定める施設基準により、「重症者加算」や「在宅移行早期加算」、「緊急往診加算」、「夜間往診加算」、「深夜往診加算」、「酸素ボンベ加算」、「酸素濃縮装置加算」、「呼吸同調式デマンドバルブ加算」、「人工呼吸器加算」、「注入ポンプ加算」など、多岐にわたる加算があります。
加算要件について
加算要件は多岐にわたります。例えば、「重症者加算」の対象となるのは、居宅において療養を行っている患者様で、高度な指導管理を必要とする方など、詳細な要件が定められています。また、「在宅移行早期加算」では、患者様が退院して在宅医療に切り替えた場合、在医総管か施設総管算定月から3か月以内の期間、月1回算定できるとされています。そのほかにも、「退院から1年を経過した患者様の場合も、再度入院して在宅に移行した場合には新たに算定可能」「検査入院や1日入院では算定不可」など、さまざまな要件が設けられています。
訪問診療点数の複雑さ
このように、訪問診療の点数は非常に複雑です。特に在宅時医学総合管理料に関しては、さまざまな加算報酬が複雑な要件によって設けられているため、算定には高度な専門知識が必要です。
この記事を監修してくれたお医者さん
コンパスメディカルグループ 代表
後藤基温
略 歴
東京医科大学医学部 卒業/医療法人社団コンパス 理事長/健康増進事業協同組合 代表理事/医療法人社団CMG 理事/コンパスメディカルグループ代表理事
保有資格
内科医師
配信: 医科歯科健診コラム