映画ライター・ムービージャーナリストのよしひろまさみちさんが今月もマストな映画&カルチャーをモリモリお届けします〜。
9月6日より全国順次ロードショーヒトコワ伝記映画『チャイコフスキーの妻』
ロシアの天才作曲家ピョートル・チャイコフスキーが同性愛者だったことは有名な話。だけど、そんな彼が世間体のために結婚したことや、妻アントニーナが「世紀の悪妻」とまで呼ばれたことはあまり知られていません。そんなアントニーナにスポットを当てた伝記映画が『チャイコフスキーの妻』。これ……むちゃくちゃヒトコワです。性的マイノリティが許されない環境が作り出した、ジェンダー差別、抑圧、狂気。これ、全部人が作り出してしまったことですよね。おまけに今でもこれにまつわる問題は山積してるわけで……。大昔の話ではあるものの、今観るべきヒトコワ伝記映画です。
『チャイコフスキーの妻』
story 19世紀後半、帝政ロシア。大作曲家のチャイコフスキーは、世間体のための結婚をする。相手は、彼に熱烈なラブレターを何度も送ってきた貴族の娘アントニーナ。彼女は結婚を心から喜ぶものの、すぐに彼には女性への愛情がないことを知り、次第に狂気にかられるように……。
監督・脚本:キリル・セレブレンニコフ/出演:アリョーナ・ミハイロワ、オーディン・ランド・ビロン、フィリップ・アヴデエフ ほか/配給:ミモザフィルムズ/公開:9月6日より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
© HYPE FILM – KINOPRIME – LOGICAL PICTURES – CHARADES PRODUCTIONS – BORD CADRE FILMS – ARTE FRANCE CINEMA
9月19日よりNetflix独占配信ダンプ松本さんの伝記『極悪女王』
80sの女子プロレスブーム、ご存じor覚えてます? その人気を牽引したプロレスラーの代表格でもあるダンプ松本さんをフィーチャーした伝記ドラマ『極悪女王』がまもなくNetflixでお目見えです。ダンプさんが幼少期に女子プロにハマった理由や、彼女やライオネス飛鳥、長与千種などと一大ブームを作った裏側などが赤裸々かつドラマティックに描かれている本作。これ、マジですごい。ゆりやんさん、剛力さん、唐田さんをはじめとする俳優陣が、本物プロレスラー状態。からだ作りはもちろん、リング上のアクションまでほぼ本人がこなしてるんです。キャストのインタビューはオトナミューズWebで公開する予定なので、震えて待て!
『極悪女王』
story 父親のDVに、母、妹とともに苦しんだ少女時代を過ごした松本香(ゆりやん)。彼女は、唯一の逃げ場でもあった女子プロレス界に憧れ、大人気だったビューティ・ペアのような正統派レスラーを目指す。が、ライオネス飛鳥(剛力)と長与千種(唐田)など仲間たちがブレイクする一方、彼女はレスラーとしては崖っぷちに……。
総監督:白石和彌/出演:ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽、ほか/配信:9月19日より、Netflixにて独占配信
© Netflix
text:MASAMICHI YOSHIHIRO
otona MUSE 2024年10月号より
配信: オトナミューズウェブ
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