大動脈解離を発症する原因
大動脈解離は、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や、喫煙、ストレスなどに伴う動脈硬化が主な原因となります。
それぞれの原因について、解説していきましょう。
生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)
これらの生活習慣病によって動脈硬化が進行することで、血管に亀裂が入りやすくなり、大動脈解離を発症しやすくなることが知られています。
塩分や脂質、糖分、カロリーの取りすぎを避け、バランスの良い食生活や適度な運動習慣を持つことで、これらの生活習慣病になりにくくなります。
また、もし生活習慣病になってしまった後も、生活改善と、適切な処方管理でコントロールをよくすることが重要です。
喫煙やストレス
喫煙は動脈硬化を進行させてしまい、大動脈解離などの血管の病気を発症しやすくなります。大動脈解離の患者では、喫煙歴があることが多いことは疫学研究でも報告されており、最近では本人だけでなく、副流煙でも起こりやすくなるとする報告もあります。
また、ストレスも血圧を上昇させることで大動脈解離などの血管の病気を発症しやすくすることが知られています。
禁煙、休養や睡眠をしっかりとってストレスを減らす生活をすることが大切です。
遺伝(マルファン症候群など)
頻度は少ないですが、マルファン症候群などの、特殊な遺伝性の病気も大動脈解離の原因となることが知られています。マルファン症候群は、体の組織を構成する結合組織が弱くなってしまう遺伝性の病気で、全身の組織の弾力性が低下してしまい、血管の損傷・解離などが生じやすくなってしまいます。
大動脈解離の検査法
大動脈解離の診断には、主に画像検査が重要となります。
代表的な検査を紹介していきます。
胸部レントゲン検査
X線を照射し、胸の状態を評価する検査です。大動脈解離では、大動脈や縦隔(胸の中の、左右の肺に挟まれた領域)の拡大を認めることが多いです。
胸痛などの胸の症状では一般的に行われる検査であり、痛みもなく、被爆も少ない、一般的に多くの医療機関で実施される検査です。
心エコー検査
超音波を体に当てて、心臓の状態を評価する検査です。大動脈解離では、心臓の出口である大動脈の付け根の拡大や、大動脈弁の逆流、大動脈内で避けた血管の壁(フラップ)を確認できることもあります。
体に負担をかけず、救急外来でも迅速に実施できる検査であり、非常に有用な検査です。
造影CT検査
診断の確定のために欠かせない検査です。
血管を観察しやすくする造影剤という薬剤を使用し、全身を断層撮影することで、血管や臓器の状態を詳細に評価することができます。
配信: Medical DOC