性交痛に対してセルフケアでできること
編集部
そのほか、性交痛に対してセルフケアで対処することはできますか?
五十嵐先生
はい、まずはデリケートゾーンを清潔に保つことが必要です。特に汗などで蒸れたままの状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなり、性交痛の原因になることがあります。通気性の高い下着を選ぶと良いでしょう。また、入浴時にはデリケートゾーンも洗いましょう。ただし、通常のボディソープは洗浄力が強すぎるので、専用の洗剤を使用するか、あるいはお湯でやさしく流すようにしましょう。
編集部
そのほかに気をつけることは?
五十嵐先生
免疫力が低下すると雑菌が増殖し、炎症が起こります。それが原因で性交痛になることもあります。そのため膣内の環境をよく保つためには免疫力を高めることが必要です。ストレスや睡眠不足、過労などに気をつけ、免疫力を高めることを意識しましょう。
編集部
それでも性交痛が治らない場合にはどうしたら良いのでしょうか?
五十嵐先生
子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症など婦人科系の疾患が隠れていることもあります。その場合には疾患に適した治療が必要になります。痛みのために性行為ができなくなったり、パートナーとの関係が悪化したりといったトラブルの原因になることもあります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
五十嵐先生
性交痛にはさまざまな原因が考えられますが、治療によって改善が期待できることが多いです。治療をすることで痛みが解消されるだけでなく、パートナーの満足度や幸福感も高まるのが、治療を受ける大きなメリットと言えるでしょう。また、全身に作用するホルモン補充療法を行うことで、イライラや不眠、疲労感など更年期障害によるさまざまな症状の緩和も期待できます。もし、性交痛で悩んでいる場合は、気軽に婦人科へご相談いただければと思います。
編集部まとめ
エストロゲンの分泌量は更年期に入り、減少が加速します。それに伴い、性交痛のほかさまざまな症状が出現することも少なくありません。生き生きと更年期を過ごすために、ぜひ、悩みがあれば婦人科に相談してみましょう。
配信: Medical DOC