健康診断は受ける前後が大切。受診したら結果を確認。保健師がおすすめする特に注目したい検査項目についてお教えします。

健康診断は受ける前後が大切。受診したら結果を確認。保健師がおすすめする特に注目したい検査項目についてお教えします。

今年度の健康診断はもう受けられましたか。結果はいかがだったでしょうか。

これから健康診断を受ける方は受けておきたい検査項目について、結果がすでに届いた方は特に注目すべき検査項目について、保健師と一緒に考えてみましょう。

今回は、保健師の山本佳菜さまにお話を伺いました。

健康診断とは

健康診断、いわゆる健診は全身の健康状態を検査する目的で行います。

また、健康診断には法律で実施が義務付けられた「法定健診」と、個人が任意で受ける「任意健診」に分けられます。

似た言葉に「検診」がありますが、こちらは特定の疾患を検査するためにからだのある部位を検査することを指すため、健診と区別して使用しましょう。

多くの方が該当する「定期健康診断」は1年に1回、定期的に実施することが法律で定められています。

検査の種類では視力・聴力・身体検査や血圧測定、尿検査、採血や心電図、胸部レントゲン検査などがあり、その他にも問診で自覚症状や今までの既往歴、業務歴について確認します。

健康診断で行う検査にはどのようなものがあるの?

健康診断で受けることが多い3つの検査の内容や方法について説明します。

1:血液検査

採血は痛みがあるため、苦手と感じる方も多い検査かと思いますが、体の内部の状況を調べるために特に重要な検査です。

過去に採血で気分が悪くなった経験がある方や採血に強い不安を感じる方は、検査前に健診機関に申し出てください。

2:心電図

両手首と両足首の計4か所と、胸に6か所の検査器具を装着し、心臓の状態を把握する検査です。

痛みはありません。検査器具を装着したら全身の力を抜き、ゆったりと呼吸しましょう。

ブラジャーなどの下着や、ネックレス、ブレスレット、アンクレットなどの装飾品は検査前に外しておきましょう。

3:胸部レントゲン検査

胸部にX線を照射して、肺や心臓に異常がないか調べる検査で、痛みはありません。

息を吸って止めた状態で撮影するため、検査担当者の説明に従って呼吸しましょう。

妊娠の可能性がある方は検査前に担当者に申し出てください。

健康診断では上記以外にもさまざな検査項目があり、一体どれに注目したらよいか、任意健診や検診、オプション検査を含めるとどれを受けたら良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。

続いて、ぜひ受けてほしい検査項目についてお話しします。

保健師おススメ!ぜひ受けてほしい検査項目とは・・・

仕事にプライベートに忙しい20~40代の女性は、ご自身の健康を振り返る機会が少ないかもしれません。

ですので、年1回の健康診断はとても大切。

また、法定項目以外でも、以下の検査を会社や自治体で受けられるようであれば、受けることをお勧めします。

1:子宮頸がん検診

20~40代すべての女性に受けてほしい検診です。内診台で行うため、抵抗が多い方もいらっしゃると思いますが、子宮頸がんは年間で約1万人が罹患し、20代から40代にかけて罹患率が急増するがんとなります。

よって、女性には”定期的”にチェックしてほしい検査のひとつです。

内診時は全身の力を抜き、深く息を吐くことで痛みを和らげることができます。

また同時に超音波検査を受けることができる場合は、子宮の奥や卵巣の異常の早期発見にもつながります。

2:乳がん検診

主に40歳を超えた方に受けてほしい検診です。

マンモグラフィーと超音波検査の2種類がメインですが、MRIによる乳がん検診ができる医療機関も増えているようです。

年間で約10万人が罹患し、30代後半から罹患率が上昇するがんですので、該当する方は受けてみてはいかがでしょうか。

上記2つの検診はお住まいの自治体でも受けられる可能性があります。

すでに健康診断を受けられた方も自治体からのお知らせをぜひ確認してみましょう。

読者のみなさんが特に注目すべき健診結果とは・・・

たくさんある検査項目のうち、読者のみなさんが特に注目すべき健診の検査項目として、以下をご紹介します。

1:血色素量(ヘモグロビン)

Hbと表記されることもあり、主に貧血の有無を見る検査項目になります。

貧血が疑われる場合、基準値より低い値が出ることがあり、医療機関を受診し貧血の原因を調べる必要があります。

貧血になると、めまいや立ちくらみ、息切れ、疲れやすいなどの症状が出る場合もあります。

特に女性は月経や妊娠出産などの影響で貧血になりやすいため、健診結果が悪くなくても、症状が出た場合は医療機関を受診しましょう。

2:BMI

体重と身長から算出される肥満度を表します。

一般的に22くらいが適正とされ、18.5未満はやせ、25以上は肥満と判定されることが多いです。

やせや肥満に当たる場合は、生活習慣を見直したのち、それでも改善しない場合は医療機関への相談も検討してください。

3:LDLコレステロール

俗にいう悪玉コレステロールです。

基準値より高いのはもちろん、低い場合も健康リスクがあり、特に閉経後は女性ホルモンの影響でLDLコレステロールが上昇することがあります。

判定に「要精査」「要医療」「要受診」と書かれている場合は、医療機関に受診しましょう。

いかがでしたか。日ごろから「誰かのために」頑張る読者のみなさんも、この記事を読んで少しでも自分の健康について前向きに考えていただけると幸いです。

いまの生活は健康あってのこと。

健診を受けたら放置せず、結果を再度確認し、必要な時は医療機関を受診してください。

[執筆者]

山本佳菜

産業保健師

大学病院や企業立病院などで看護師として勤務したのち、法人向け産業保健サービスを提供するエムステージ入社。

複数企業において従業員の健康管理、予防医療に携わっている。

株式会社エムステージ『産業保健トータルサポート』

https://sangyohokensupport.jp/

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キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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