LDHで凄まじい存在感を放つ38歳。平成を生きてきた人ならわかる佇まいの”懐かしさとカッコよさ”

LDHで凄まじい存在感を放つ38歳。平成を生きてきた人ならわかる佇まいの”懐かしさとカッコよさ”

LDHの歴史を可視化する大会で輝く


 もう少し作品間の自由な連想を続けてみる。そうそう、『On The Way』のシートベルトで思い出したことがあったんだ。肩から腰にかけられるあのシートベルトがタスキ的に思いを次へつなぐバトンみたいな役割を果たしているんじゃないかと。そう、バトン……。

 4時間超の長丁場のLDHによるスポーツ大会『LDH CLUB CHAMPIONSHIP ~PLAY 4 VICTORY~』の最終種目の選抜リレーで、「中目黒リュージーズ」を率いる今市がアンカーとして走った。他チームが首位争いを繰り広げる中、「中目黒リュージーズ」は出遅れてしまったが、それでもバトンはしっかり渡される。

 前走者がこちらに向かってくるのを眼差しながら、ユニフォームの肩のフィット感を調整したりしながら気長に待つアンカー今市。いざバトンが渡されると、目力スイッチオン。トップ走者に追い付けないことはわかっていながら、ゴールを目指す。

 パリオリンピックが閉幕したとはいえ、まだスポーツ熱気が身体中を駆け回っていたこともあるのか、走るという行為に徹する今市に何だかやけに胸が熱くなってしまった。バトンを渡され、走り始めた瞬間、ユニフォームの下に着た黒のタンクトップが一瞬のぞく。総勢96人のLDHアーティストが集結し、LDHの歴史を可視化する大会で、一枚のタンクトップを黒真珠色の輝きに変えてしまう隆二さん……。

 8月31日と9月1日に放送された『24時間テレビ47』(日本テレビ)でも岩田剛典のライブペイントを見守り、歌唱するときの袖まくりと短髪がやっぱり「変わりゆく変わらないもの」だった。今市隆二とともに平成を生きてきた人たちなら、そこに臆面もなく懐かしさを感じ、そしてその理由を考える前から、ただカッコいいと連呼していたくなる。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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