胃ポリープ診断に欠かせない胃カメラ検査
胃カメラで胃の内部がわかるため、胃の状態やポリープの大きさなどが把握できます。胃ポリープがある人は、定期的に胃カメラで胃の状態を把握しておきましょう。
胃カメラ検査でわかる点
胃カメラを通して胃の状態・病変の形態・色調・表面の性状・大きさ・位置などがわかるでしょう。がんであった場合、深さや広がりなどがんの状態の診断も可能です。また、胃カメラでポリープの一部を採取して、良性か悪性かを顕微鏡で調べることもできます。
検査の流れ
胃カメラ検査は次のような流れです。
医師の問診
消泡剤の服用
喉の麻酔
検査台に体の左側を下で横になる
マウスピースの装着
鎮痛剤・鎮静剤が必要な方は使用
口腔より胃カメラを挿入し検査開始
検査終了
鎮痛剤・鎮静剤を使用した場合、検査終了後にリカバリールームで30〜60分程安静にする必要があります。また、鎮痛剤・鎮静剤を使用していない人は、検査が終了したらすぐに帰れます。
検査の注意点
検査前日の夕食は、脂っこい食事やアルコールは避け、20時頃までに済ませておきましょう。検査当日は、朝食は食べられません。飲水も水かお茶のみで、検査の1時間前まで摂取が可能です。
また、内服がある人は、医師の判断を仰ぎましょう。胃粘膜を採取した際には、当日に激しい運動や刺激物の摂取を控えるようにしてください。喉や鼻を麻酔して検査するため、検査後1時間程は飲食が難しいでしょう。
また、消化管の蠕動運動が活発な方には、蠕動を止めるための鎮痙薬を使います。薬によって、目がちかちかしたり喉が渇いたりするため、当日の車の運転は控えるようにしてください。
胃ポリープ切除の必要性の有無
直径が20mmを超えると、がん化の頻度も増えるとされています。胃過形成性ポリープでは、直径10mm以下でのがん化例も報告されており、ポリープを切除するタイミングが重要です。
1cm以下のポリープ
基本的に切除や治療の必要性は少なく、定期的な経過観察ですむでしょう。ただし、ポリープが大きくなる可能性もあるため、1年に1回とペースを決めて定期的に胃カメラを受けるようにしてください。
また、経過観察の期間にがん化を疑う兆候が見られた際には、切除して生検を行う場合もあります。
2cm以上のポリープ
2cm以上のポリープはがん化しやすくなるため、がん化の可能性も考えて胃カメラの際に切除する場合がほとんどです。大きさだけでがん化を判断するのは困難です。
そのため、がん化しているポリープに多い表面の構造・形態・出血・粘液の付着などの特徴と併せて、医師が判断します。基本的には、生検で得た材料から病理診断が行われるでしょう。
配信: Medical DOC