急性胃腸炎はなぜ起きる?
編集部
子どもの急性胃腸炎はなぜ起きるのでしょうか?
木村先生
多くの場合、ウイルスや細菌に感染することで起こります。代表的なものが「ロタウイルス」と「ノロウイルス」です。一般的にロタウイルスは冬から春まで、ノロウイルスは11月から冬にかけて感染するとされています。ただし、近年はそれだけでなく、季節を問わず胃腸炎が発生している印象もあります。
編集部
どれくらいで症状が治るのですか?
木村先生
一般に、嘔吐は長くても1〜2日程度、下痢は3〜7日程度で治ると言われています。ノロウイルスでもロタウイルスでも治療法は変わらず、現在、特効薬はありません。そのため、治療は脱水に気をつけながら、自然に症状が軽快するのを待つことになります。
編集部
受診の目安を教えてください。
木村先生
発熱や嘔吐などが続いてぐったりしている、または脱水の症状があれば、早めに受診しましょう。場合によっては急性胃腸炎ではなく、ほかの病気が関係していることも考えられます。特に意識障害がみられたり、嘔吐が止まらなかったりする場合には、できるだけ早く受診することをおすすめします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
木村先生
ウイルス性胃腸炎の感染経路は、主にウイルスがついた水や食物、手などを介してうつる「接触感染」とされています。特に患者の嘔吐物や下痢などの排泄物にウイルスが多く含まれているので、それらに触れたら必ず石鹸や流水で念入りに手を洗いましょう。そうすることが、感染の拡大予防につながります。また、水分を補給するときには塩分が重要です。自宅で水分補給をするためには脱水を予防するため、必ず経口補水液を与えるようにしましょう。
編集部まとめ
大人と比べて子どもは体内の水分量が多いため、下痢や嘔吐などが続くと脱水を起こしやすいとのことでした。胃腸炎の症状がみられたら、常に脱水に気をつけましょう。そして、脱水の症状に気づいたら、重篤になる前に医療機関へ受診してください。
配信: Medical DOC