薬に副作用はつきもの。避けては通れないものですが、「注射タイプの薬の副作用」と聞くと、身構えてしまう方も多いのでは? 今回は薬剤師の福田さんに、注射タイプの頭痛薬「エムガルティ」の副作用や正しい使用方法について伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【片頭痛治療の新薬「エムガルティ」のメリット・デメリットとは? 薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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監修薬剤師:
福田 治樹(薬剤師)
新潟薬科大学薬学部卒業。大学卒業後、新潟県内の調剤薬局に就職。現在は、「有限会社大手薬局」で薬剤師として従事。新人教育部門にて、学生・新人薬剤師・管理薬剤師の教育に携わりながら現場で活動中。モットーは「人と薬を繋げ、人と人を結ぶ」。人材教育や人事業務を専門に行っている。研修認定薬剤師。
編集部
エムガルティの正しい服薬方法を教えてください。
福田さん
エムガルティは1か月に1回、皮下に1本(初回のみ2本)注射します。注射部位は、基本的に腹部、大腿部、上腕部、臀部などです。注射直後は、アナフィラキシー反応の発生を確認するために15分〜30分程度身体の様子を見る必要があります。
編集部
エムガルティは自分で注射をするのですか?
福田さん
初めのうちは医師が行います。ある程度のレベルの手技が必要になるためです。また、人によっては成分が体に合わず、アナフィラキシー反応が出ることがあり、そのような事態に備え、瞬時に処置が行えるように医師の目の前で行います。ただし、長期間服用しても問題がない方や、手技を正しく理解して適正使用ができる方は自己注射に切り替えることができます。
編集部
従来の片頭痛治療薬を一緒に使うことはありますか?
福田さん
エムガルティと従来の治療薬を併用することはあります。エムガルティは毎日使用することなく、片頭痛発作の発生予防や痛みの軽減を行います。しかし、それでも症状がひどい方の場合は、従来の片頭痛治療薬を追加使用します。従来の治療薬は、症状が出た時にすぐ服用しその症状を軽減する「片頭痛急性期治療薬」やそもそも発作の発生を予防する「片頭痛発作発生抑制薬」があります。どちらも内服薬が主流で、発作が出た直後に服用するか、発生以前に飲んでおくかという方法で使用します。
編集部
注意すべき点や副作用はありますか?
福田さん
エムガルティを服用する場合は、注射部位反応と副作用に注意しましょう。注射部位反応とは、注射を行った部位に腫れや赤みが出たり、しこりが残ったりすることです。一時的な症状で問題がないこともありますが、医師による確認が必要になります。副作用で頭痛が悪化する場合もあるので注意が必要です。また、薬の成分が体に合わないと、過敏反応が出てしまい、湿疹や吐き気、全身の痒みなどの症状が出ます。そのような場合は直ちに医療機関を受診してください。
配信: Medical DOC
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