心筋梗塞の予防法
摂取エネルギーを適正にする
食生活において摂取するエネルギーに留意して、適正な体重をめざすことが重要です。一般的に適正な体重は、22×(m換算での身長)2と計算されます。次に、総摂取エネルギーに対して、脂肪の割合は20~25%、炭水化物の割合は50~60%が理想とされています。
脂質の摂取に注意する
脂質の中でも飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取は控えましょう。いずれの物質も、血管を傷めて、動脈硬化の進展を助長します。バター、ラード、ココナッツ油などは、飽和脂肪酸を多く含む食品なので摂取を控えましょう。また、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドを用いた菓子や揚げ物などの加工食品は、トランス脂肪酸を多く含む食品なので要注意です。
運動
予防のためには、有酸素運動(ウオーキング、ジョギング、自転車など)がお勧めです。強度は、中等度を目標にして、毎日30分以上(少なくとも週に3日)運動しましょう。中等度の運動の目安は、自覚的に「きつい」と感じない程度で、運動時の心拍数が100~120拍/分となる程度とされます。ただし、50歳以上の方は100拍以内にするとよいでしょう。人によって運動強度の感じ方は異なりますので、自分の自覚症状に合った運動強度を実践することが重要です。
「心筋梗塞の痛み」についてよくある質問
ここまで心筋梗塞の痛みなどを紹介しました。ここでは「心筋梗塞の痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
心筋梗塞を発症しても痛みを感じないことはありますか?
佐藤 浩樹 医師
無痛性心筋梗塞は無痛性心筋虚血の1つです。胸の痛みが出ない代わりに、息切れ、疲労感、胃部不快感、吐き気、冷や汗などが起こることがあります。病態として、以下のようなものが考えられています。
① 心臓に起きた虚血の範囲が狭かったり、程度が軽かったりして、痛みを感じない場合
② 痛みの閾値が上昇することにより、本来感じるはずの痛みがわからなくなった場合
などが原因として考えられています。高齢者、糖尿病患者、女性にみられることが多いです。無痛性心筋梗塞は、通常の心筋梗塞と同様に危険であり、早急な対応が必要です。心筋梗塞=胸の痛みは必ずしも当てはまらないことがあり注意を要します。
配信: Medical DOC