すぐに病院へ行くべき「大動脈解離の前兆」
ここまでは大動脈解離の前兆を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
突然胸や背中に激痛が出た場合や失神、脳梗塞や下肢麻痺を疑う症状が現れた場合は、救命救急センターへ
大動脈解離では前述したように多彩な症状が起こります。中でも突然発症の胸背部痛や原因不明の失神、脳梗塞や下肢麻痺を疑う症状が現れた場合には緊急で受診が必要です。救急科、循環器内科、心臓血管外科などの専門科を速やかに受診して精密検査を受けるようにしてください。
こういった症状の場合には1分1秒の遅れが予後に大きく関係します。すぐの受診が困難なら迷わず救急要請し、くれぐれも受診を後回しにしないように注意してください。
受診・予防の目安となる「大動脈解離の前兆」のセルフチェック法
・突然の胸痛、背中の痛みがある場合
・原因不明の失神を認めた場合
・脳梗塞による脳神経症状(うまく話せない、口角が下がり飲み物がこぼれる)や下肢麻痺などを認めた場合
・その他、多彩な症状が急性に発症した(他の疾患では説明がつかない)場合
「大動脈解離の前兆」についてよくある質問
ここまで大動脈解離の前兆などを紹介しました。ここでは「大動脈解離の前兆」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
大動脈解離を発症すると背中の痛みや吐き気を催しますか?
小正 晃裕 医師
典型例では突然発症の胸背部痛や失神などと共に、血圧低下による吐き気なども伴います。しかし、解離の部位や進行のスピードによって症状は多彩に生じるため、そのような症状がなくても大動脈解離を完全に否定できるわけではありません。
突然の背中の痛みと共に吐き気がある場合には、必ずすぐに医療機関を受診してください。その他にも原因不明の失神を認めたり、多彩な症状が同時に起こる場合などは大動脈解離の前兆の可能性もあるため、早めに医療機関で精密検査を受けるようにしましょう。
配信: Medical DOC