信頼できる医師との出会いが治療の第一歩
編集部
大腸がんという病気について普段意識していない人や、関係ないと思っている人に伝えたいことはありますか?
栗山さん
規則正しい生活をしていない社会人の方は、大腸がんのハイリスクかもしれません。おそらく世の社会人で、規則正しい生活ができている人は少ないと想像します。私が言いたいのは、それくらい多くの人が無意識に積み重ねている生活習慣の中で、自覚症状もなく罹患している病気であり、「大腸がんは他人事じゃないよ」ということです。「規則正しい生活をしましょう」は、誰もが聞いたことがある言葉だけど、実行は難しいものです。しかし、治療の⼀環で必ず推奨される生活です。元気でいるための大切な生活習慣であり、規則正しい生活を送らないと、リスクは上がって当然なのかもしれません。
編集部
栗山さんが医療従事者に今後期待することはありますか?
栗山さん
治療を円滑に、効果的に受けるには、医療チームの皆様との信頼関係がとても大事なことだと痛感しました。多くの患者さんの人生に関わっていらっしゃることもよくわかっていますが、その中でもできる最大限の会話、相互理解の時間を取ってくれるとありがたいです。それでも私は、入院前に人生で1番大切なことや、価値観についてのヒアリングをしてくださったことが、とても嬉しかったです。病気に向き合うのではなく、人生に向き合ってくれる医療チームに出会えたことに心底安心しました。
編集部
本記事の読者の方向けにメッセージもお願いします。
栗山さん
伝えたいことは3つです。1つ目は、ピンチのときに自分を助けてくれるのは、自分の身体づくりだということです。日々筋力や体力をつけ、免疫力を高め、歯を大事にするなどのコツコツとした積み重ねが治療を短期間で終わらせることにつながったと思います。2つ目はあなたの大切な人や友達に、たとえ専門家から得た治療に関する情報でも、「こう言っていた」「こう聞いた」と教えるのは少し待ってほしいということです。それは一般論や他人のストーリーであり、教えている人に該当する情報、メッセージとは限らないだけでなく、不安を煽ることにもなりえます。私自身、病気が判明することや治療よりも、1番メンタルを消耗したのはまさにこれでした。3つ目に信頼できるかかりつけ医を見つけることは、結婚相手を探すくらい大事なことという点です。医師は患者さんの希望や意思を理解して、最善な治療法を提案し、人生に向き合ってくれるパートナーです。自分の意志で選べるうちに、相談しやすい理解者、信頼できる医師を見つけ、相互理解を深めておくとピンチの時に安心です。
編集部まとめ
大腸がんは日本人の食生活の変化に伴い、男女ともに発症率が高まっている病気です。栗山さんのように検診で比較的発見につながりやすい特徴もあります。また、便潜血で精密検査を受けるよう指摘されることもあり、早期発見につなげやすい疾患といえるでしょう。早期発見すれば完治する可能性も高いため、定期的な検診を行うことが大切です。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
配信: Medical DOC
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