ふ化した奇形のフナを育てて、1年後の様子を見てみると……? 興味深い観察風景がYouTubeに投稿されました。記事執筆時点で動画は1万3000回以上再生され、「こうやって金魚の品種が生まれてきたのかな」「繁殖って大変ですよね」といった声が寄せられています。
ふ化から1年経過したフナを観察!
動画の投稿者は、ナマズ、メダカ、フナなど身近な水辺の生き物を捕ったり、育てたりしている「水辺 de ASOBO」さん。以前は、3年間無給餌のメダカビオトープの水替えをする様子も話題になりました(関連記事)。
今回の動画では、2023年の春に生まれたフナの卵がふ化後1年経過したことから、半年ぶりに水替えをしつつフナたちの様子を観察します。
奇形が多かったフナの稚魚
投稿主さんによると、フナはタライの底にいるため日頃はほとんど姿が見えないのだとか。前回の水替えの際に奇形の稚魚が多いことがわかっていたそうですが、奇形のフナたちは無事に育っているのでしょうか……?
いざフナを取り出してみると……みんなぴちぴちと跳ね、とても元気そうです。フナは2つのタライに10匹ずつ、合計20匹飼育してきたそうですが、2匹減って18匹になっていました。早速奇形の目立つ個体をとり分けてみます。
奇形のフナを観察してみると……
とりわけた1匹目は、体形がいびつで頭や目が大きく、胸びれが小さく縮れています。さらによく見てみると、背びれや尾びれも曲がっているようです。とはいえ痩せているわけでも、ヒレがボロボロなわけでもなく、健康状態は悪くなさそうに見えます。
他のフナを見てみると、何やら色が違う個体が見えました。他の個体は上から見ると赤っぽい色に見えますが、この個体だけ青っぽい色に見えます。横からよく見ると、銀やプラチナのような色味で、明らかに他の個体とは色が異なっていることがわかりますね。
このフナたちの親は日本の在来魚「ギンブナ」と、ギンブナの突然変異「ヒブナ」なのだそうです。
ギンブナはギンブナ以外の精子でも卵が刺激されてふ化し、母親であるメスと全く同じ染色体をもつ個体(クローン)が生まれてくる「雌性発生」という特殊な繁殖方法を取る魚。そのため投稿主さんはヒブナとギンブナの水槽にオスの金魚も入れ、3年間採卵を続けていたのだそうです。
この親ブナの繁殖は2023年の春が最後で、最後の卵から生まれた稚魚は奇形や色違いが多く発生したとのこと。奇形のフナたちは無事育つのか、色違いのフナはどのように成長するのか、ゆっくりと見守っていきたいですね。
興味深い監察結果に反響
動画には「こうやって金魚の品種が生まれて来たのかな~と思ってしまう。なかなか、繁殖につながらなかったりするけと、育ててみるのは楽しみですね」「普通にみたら奇形じゃあるけど、その奇形のフナたちを改良していったのが金魚なんだよな。この奇形のフナにはロマンなどをボクは感じましたね」「結果がわかるまで年単位かかるから、繁殖って大変ですよね」「なんにせよ元気に育っているのはいいことですね」と、見入ってしまった人たちからのコメントが寄せられています。
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投稿者さんは“水辺で遊ぶ”をテーマにした動画を「同チャンネル」とサブチャンネル「水辺 de ASOBOの自由時間」で公開中。SUZURIでは、Tシャツや缶バッチなどオリジナルグッズを販売しています。
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画像提供:YouTubeチャンネル「水辺 de ASOBO」
(三日月 影狼)
配信: ねとらぼ