全国の落雷の回数
気象庁の統計によると、目視観測に基づく年間の雷日数の平年値(1991~2020年までの30年間の平均)は石川県金沢市の45.1日が最多となっています。日本海側では夏だけでなく冬も雷が多く発生しています。
一方、太平洋側の内陸部では夏に雷が多発しており、栃木県宇都宮市では26.5日を記録しています。
引用:気象庁「年間の雷日数」
引用:気象庁「月別の雷日数」
落雷のピークは7月・8月
気象庁が発表している落雷害の件数は、2005~2017年の13年間で1,540件、そのうちの約2/3が太平洋側で7、8月に集中しています。なおこれは、低気圧や前線の通過など一連の気象現象における落雷害を1件とカウントした場合の件数です。
引用:気象庁「落雷害の月別件数」
年間の落雷件数は約100万件
年間の落雷回数はその年の気象条件によっても大きく変動しますが、約10~100万回にのぼると言われています。
落雷は近年、増加の傾向
雷観測ネットワーク(JLDN)で日本全国の雷を観測しているフランクリン・ジャパンの統計によると、2014~2023年の月別落雷数の平均は、8月だけで907,000回を記録しています。2023年の月別落雷数によると8月の落雷数は1,121,000回で、10年平均よりも多いことが分かります。
※ひとつの落雷で複数の放電(電撃)が繰り返されることが多いため、この統計では電撃の数をカウントしています。
出典:フランクリン・ジャパン 雷統計データより「月別 落雷数 最新10年平均」
出典:フランクリン・ジャパン 雷統計データより「月別 落雷数 2023年」
まとめ
雷サージは、落雷の影響などにより発生する高電圧の電流で、電気製品の故障の原因となります。雷の直撃を受けなくても発生することがあるので、雷が鳴っているときは精密機器の電源を落とし、電源コードを抜くようにしてください。雷サージ保護機能のついた電源タップなどで対策をする方法もあります。
夏の雷を知らせる目安は、積乱雲(入道雲)です。黒っぽい雲が発生して、周囲が暗くなり、涼しい風が吹き出したら、大雨・雷・竜巻が発生する危険があります。
速やかに安全な場所に避難して身を守り、精密機器の電源を落とすなどして、雷サージに備えましょう。
<執筆者プロフィル>
山見美穂子
フリーライター
岩手県釜石市生まれ。幼いころ両親から聞いた「津波てんでんこ」の場所は、高台の神社でした。
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配信: 防災ニッポン