「大動脈解離を予防する方法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「大動脈解離を予防する方法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

大動脈解離の前兆とは?Medical DOC監修医が大動脈解離の前兆・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

≫「大動脈解離の原因」はご存知ですか?なりやすい人の特徴・検査法も医師が解説!

※この記事はMedical DOCにて『「大動脈解離の前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
小正 晃裕(医師)

京都大学医学部卒業。循環器内科・臨床不整脈を専門とし、これまで関西電力病院、京都大学医学部附属病院などで勤務。主にカテーテルアブレーション、不整脈デバイス診療に従事。現在は大手企業の専属産業医、複数クリニックで内科外来業務に従事しながら医療DX推進に向けて複数事業を運営中。日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本医師会認定産業医。

「大動脈解離」とは?

大動脈解離とは、心臓から全身に血液を送り出す大動脈の血管内壁が裂けて、血液がその壁の中に入ってしまう状態を指します。この状態が起こると、血液は大動脈の内部と外部の間に新しい道を作ります。これが「解離」と呼ばれるもので、これにより大動脈が2つの部分に分かれ、血液の流れが正常でなくなります。
通常、血液は心臓から大動脈を通って体全体に送られ、私たちの全ての器官や組織に必要な酸素と栄養を供給します。しかし、大動脈解離が起きると、この重要な血管が正常に機能しなくなり、血液の流れが妨げられ、生命に危険な状態に陥ることがあります。
大動脈解離は突然発症することが多く、激しい胸痛や背中の痛みを伴うことがあります。これは非常に危険な状態であり、緊急の医療処置が必要です。一方で、緩徐に発症することで激烈な症状が乏しい場合もあり、様々な症状の原因となるため他疾患で説明のつかない症状を認めた場合には大動脈解離の可能性を念頭に置く必要があります。
大動脈解離を正しく理解することは非常に重要であり、知識を持っていれば、緊急時に迅速な対応が可能となり、命を救うことも期待できます。また、早期に適切な治療を受けることで、回復の可能性も高まります。他の心臓疾患と同様に、大動脈解離も早期発見と適切な治療が非常に重要であるため、急な胸痛や背中の痛みを感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

大動脈解離を予防する方法

血圧管理

大動脈解離の予防において血圧管理は非常に重要です。コントロール不良な高血圧症は動脈硬化を進展させて大動脈解離のリスクを上げるため、高血圧症を指摘された場合には必ず定期的な診察を受け、必要な治療を受けるようにしてください。また、普段の生活では食事の塩分を減らすこと、適度な有酸素運動などが血圧管理に有効です。

脂質、血糖値のコントロール

高血圧と同様に、脂質や血糖値のコントロールも動脈硬化および大動脈解離の予防に重要です。脂質や炭水化物の摂りすぎには注意して、医師や栄養士からの栄養指導なども組み合わせながら数値が悪くならないよう定期的な検査を欠かさず受けてください。
また、脂質や血糖値のコントロールにも運動が大切です。食後に有酸素運動をすると効率的にカロリーを消費できるため、少しずつ習慣にしていきましょう。

運動

運動不足は血圧上昇や動脈硬化のリスクとなります。予防のためには適度な運動を継続することが必要であり、自分で続けられる運動を見つけるようにしましょう。特に高齢になると筋力低下で運動量が下がる傾向があるため、筋力維持に筋力トレーニングなど無酸素運動、動脈硬化予防に有酸素運動を取り入れるなど、バランスよく行う必要があります。どのような運動をしたらよいかわからない場合には主治医に相談し、無理のない範囲でうまく生活に取り入れるようにしましょう。

禁煙

喫煙は動脈硬化による心血管障害や脳梗塞、閉塞性肺疾患など多くの疾患にとってリスクとなります。もちろん大動脈解離を予防するうえでも禁煙は非常に重要な因子となります。
緊急性が高く致死率も高い大動脈解離を予防するためにも、現在タバコを吸っている場合には早めに禁煙を心がけてください。また、禁煙したくても困難な場合には禁煙外来などもあるので、主治医と相談するようにしましょう。

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