歯科訪問診療の概要
歯科訪問診療は、ひとりでの通院が困難な患者様のもとに、歯科医師や歯科衛生士が訪れて歯科診療を行うサービスです。高齢者や病気、障がいをお持ちの方など、さまざまな患者様が対象で、通院せずに自宅で安心して診療が受けられることが大きなメリットです。これにより、患者様ご自身だけでなく、ご家族の負担も軽減されます。
歯科訪問診療のメリット
歯科訪問診療は、患者様のもとへ定期的に訪問することから、患者様やそのご家族と密接な信頼関係を築きやすくなります。また、1日に複数の症例を診る外来診療とは異なり、ひとつの症例にじっくりと向き合うことができる点も、歯科医師にとってのメリットです。
患者様のご自宅や老人ホームのような高齢者施設へ訪れる日時が決まっているため、残業が少ないケースがほとんどで、外来診療に比べてワークライフバランスを大事にしやすい点もメリットとして挙げられます。
歯科訪問診療のデメリット
歯科訪問診療の最大のデメリットは、病院やクリニックよりも設備や機材が不十分な点です。自宅や老人ホームで診療を行う際、外来診療と同等の治療や検査が難しい場合があり、機材が限られているため、即時対応が困難なことがあります。
歯科訪問診療を利用する患者様は高齢者が多く、似た症例に偏りがちです。そのため、特定分野のエキスパートになることは可能ですが、幅広い知識や技術を得ながらスキルアップしたいと考える歯科医師にとっては、デメリットと感じることがあります。また、移動時間や事務作業に時間がかかる点もデメリットです。
この記事を監修してくれたお医者さん
日本歯科医師協会認定医
越智英行
略 歴
昭和大学 歯学部 卒業/昭和大学大学院 歯学研究科 臨床系歯科麻酔科学 修了/昭和大学 歯学部 全身管理歯科学歯科麻酔科 助教/医療法人社団コンパス 常務理事
保有資格
歯科医師/歯学博士/日本口腔外科学会 認定医/日本外傷歯学学会 認定医
配信: 医科歯科健診コラム