普段放置している「いびき」が、「脳卒中」や「心筋梗塞」を起こす可能性があるとしたら、あなたはどうしますか? 今回は、どのようないびきには注意が必要なのか、吉祥寺睡眠メディカルクリニック」の服部先生に伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【いびきは循環器系の疾患を引き起こす可能性があるという事実、睡眠中の「変な呼吸」に要注意】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
≫ 「睡眠時無呼吸症候群」の重症度を医師が解説 重症度分類AHIと段階別の治療法とは?
監修医師:
服部 庸一郎(吉祥寺睡眠メディカルクリニック)
北里大学医学部卒業。平塚共済病院勤務を経て、2011年、東京都武蔵野市に位置する「医療法人社団新洋和会吉祥寺睡眠メディカルクリニック」の院長に就任。睡眠時無呼吸症候群の治療に注力している。日本睡眠学会認定専門医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。
編集部
どんな人がいびきをかきやすいのでしょうか?
服部先生
よく言われているのは、太っている人ですね。ただし、痩せていても起こり得ることに加えて、女性にも多くみられます。とくに日本人の場合、生まれつき顎が小さいので、「舌を収納するスペース」が十分ではありません。収まりきらない舌が喉をふさいでしまい、いびきをかいてしまう仕組みです。また、閉経後にホルモンバランスが変わることで、気道が狭くなることもあります。実際に、いびきで受診される人の約4割は、肥満に属さない人たちです。
編集部
いびきは見かけによらないということですね?
服部先生
はい。加えて、先ほど申し上げたとおり、大きな音のするいびきだから病的とも言えませんし、逆もまたしかりです。酸素が送られていない「無呼吸」の間も音はしないですからね。したがって、いびきの種類からは呼吸の中身が問えないということです。
編集部
つまり、いびきの音をなくすというより、呼吸障害の合併症対策として治療するべきだということですか?
服部先生
そのとおりです。最も怖いのは酸素不足による脳卒中や心筋梗塞などの「脳・心血管系障害の合併」です。そして、睡眠中の呼吸障害は必ずしも“音のするいびき”に限らず起こります。ぜひ、隠れているかもしれない病気の有無を確認しておきましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
服部先生
睡眠時無呼吸症候群という病名が知られてくるにつれ、「いびきが心配だから調べてほしい」という患者さんは増えています。かつては寝ている間の“突然死”の原因が追いきれませんでしたが、今ではある程度のリスク判定ができます。いびきの音にとらわれず、睡眠中に「変な呼吸」の仕方をしていたら、それが受診の目安です。パートナーやご家族にも確認してもらうのもいいと思います。
配信: Medical DOC
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