心身症

心身症

心身症の概要

心身症とは、心の問題やストレスが原因で身体の機能に異常をきたし、様々な疾患が生じる状態です。身体的な疾患と異なり、検査を行っても明確な異常が見つからないこともあります。

「日本心身医学会」では、心身症を「精神的・心理的因子が密接に関連して身体症状が発現または進行する身体疾患」と定義しています。心と体の健康は深く関わっていることから、過度なストレスが蓄積すると自律神経やホルモンバランスなどに乱れが生じ、様々な身体症状を呈することがあります。

心身症では特定の臓器や部位に症状が現れることが多く、胃腸や心臓、皮膚などに症状を認めることがあります。ストレスが直接的な原因となっているため、症状の現れ方はストレスの程度や患者さん自身のストレスに対する耐性によっても大きく異なります。

心身症として発症する疾患には、過敏性腸症候群や起立性低血圧、高血圧、慢性胃炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など様々な種類があります。

心身症の原因

心身症の原因には、精神的ストレスや心理的な特徴、環境要因、身体的要因などが挙げられます。心身症の患者さんはストレスや感情を抑圧していることも多く、ストレスへの対処法を誤ることで心身症の発症リスクを高める可能性があります。

ストレス

心身症の発症には精神的ストレスが深く関わっています。例えば、職場での過度なプレッシャーや家庭内での問題、社会的な孤立感などがストレスの要因となります。
長期間に渡ってストレスにさらされると身体の機能に悪影響を及ぼし、様々な身体的症状を引き起こすことがあります。

心理的な特徴

個人の心理的な特性も心身症の発症に関わることがあります。例えば、完璧主義な性格や自己肯定感の低さ、対人関係での不安などが挙げられます。
このような心理的特徴がストレスの感じ方や対処法に影響を与え、心身症を引き起こしやすくなることがあります。

環境要因

環境要因も心身症の原因になることがあります。例えば、人間関係のトラブル、引越しや転職などの生活環境の変化、職場での競争環境などが挙げられます。
これらの環境要因がストレスを増幅させ、心身症を引き起こす要因となるケースもあります。

身体的要因

心身症の発症には身体的な要因も関与しています。例えば、遺伝的な要素やホルモンバランス、自律神経の乱れが心身症発症のリスクを高めることがあります。
特に自律神経系が乱れると身体の様々な機能に悪影響を及ぼし、心身症を引き起こしやすくなります。

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