口内炎と口腔がんの見分け方とは?Medical DOC監修医が口内炎の種類や・初期症状・口腔がんができやすい部位・場所などを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
≫「口腔がんの症状」はご存知ですか?初期症状・末期症状も医師が徹底解説!
監修歯科医師:
五島 志織(歯科医師)
九州大学歯学部卒業。大学卒業後、同大学の付属病院で研修医終了後、クリニックで歯科医師として勤務後、現在、九州医療スポーツ専門学校で講師として、解剖学、生理学、病理学、衛生学などを、歯科衛生士学科、看護学科、柔道整復師学科の学生に指導中。
「口腔がん」とは?
口腔内にできる癌を総称して口腔がんといいます。
口唇がん、頬粘膜がん、歯肉がん、硬口蓋がん、舌がん、口底がんなどがありますが、口腔がんの中で一番多いのは、舌がんであり、全体の40パーセントをしめます。
舌がんの男女比は2:1で、ほかの口腔がんに比べ、平均年齢も低く、20~40代の罹患もしばしばみられます。好発部位は、舌縁、あるいは舌下面です。
口腔がんの治療は主に3つで、外科的療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)で、多くの場合1つだけでなく複数を採用します。
がんの治癒の目安としての5年生存率は70~80%です。
口内炎の種類
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎とは、口腔粘膜疾患の中でもっとも頻繁にみられるもので、20~30代女性にやや多く、高齢者ではほとんどみられません。
原因には疲労、ストレス、感染症、女性では性周期などがあげられます。
対処法としてはビタミンB群を摂取すること、免疫力向上のため、十分な休養、または、口腔内を清潔に保つことも有効です。
ウイルス性口内炎
ウイルス性口内炎とは、単純ヘルペスウィルスに感染することによりおこる口内炎です。
一般的に口唇ヘルペスといわれます。口唇に小潰瘍が見られたり、発熱や倦怠感を伴ったりすることもあります。
原因となるウィルスはHSV-1で、初感染後3~7日で発症します。その後ウィルスは三叉神経節に潜伏し、免疫力が低下したり、ストレスがたまると再発が見られます。
再発を防ぐには、健康的な食生活を心掛けることが重要です。
カタル性口内炎
カタル口内炎とは、組織の崩壊がみられない漿液性の滲出性炎で、単純性口内炎ともいいます。
粘膜の発赤が主症状です。疼痛を伴う発赤や浮腫、口臭などを伴います。
不適合補綴物、細菌感染、温熱や放射線などの化学的、物理的刺激などが原因となり得ます。
口腔内清掃または不適物補綴物など原因が明確な場合はそれらの除去で対処できます。
アレルギー性口内炎
アレルギー性口内炎とは、特定の食べ物や薬剤、金属などに対してのアレルギー反応による口内炎で、見た目はアフタ性口内炎に似ています。
原因はアレルゲンとなる物資なので、アレルゲンを特定し、原因の除去が必要となります。
配信: Medical DOC