肥満は決して外見だけの問題ではなく、さまざまな病気のリスクを上げると言われています。また、体脂肪のつき方には、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があり、健康に与える影響は異なるようです。そこで、肥満による病気のリスクや皮下脂肪と内臓脂肪の違いについて、「東京たかはしクリニック練馬院」の高橋昂大先生に解説してもらいました。
≫ 【イラスト解説】「肥満」が高血圧になりやすい理由と放置で糖尿病になるリスク
監修医師:
高橋 昂大(東京たかはしクリニック練馬院)
2010年日本大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター外科、東京大学医学部附属病院心臓血管外科、新東京病院心臓血管外科、メディカルトピア草加病院などに勤務。2020年海外留学(Khoo Teck Paut Hospital)。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本消化器外科学会指導医、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による指導医、日本内視鏡外科学会内視鏡外科技術認定医、The European Association for Endoscopic Surgery、The International Federation for the Surgery of OBESITY AND METABOLIC DISORDERS (IFSO)。
肥満だとどうしていけないの?
編集部
肥満だと病気のリスクが上がるというのは本当ですか?
高橋先生
そうですね。肥満は高血圧や脂質異常症、2型糖尿病、がん、脂肪肝などの発症要因になります。
編集部
がんのリスクも上がるのですか?
高橋先生
はい。多くの論文で既に発表されているように、肥満になると、がんの発症リスクが高くなります。なかでも大腸がん、肝臓がん、子宮がん、乳がんは肥満に関連する「がん」であると言われています。
編集部
生活習慣病だけかと思っていました。
高橋先生
そんなことはありません。ほかにも、例えば睡眠時無呼吸症候群や変形性関節症など、肥満はたくさんの病気を引き起こす要因になりうると言われています。
あなたはどっちのタイプ? 脂肪のつき方について解説
編集部
脂肪のつき方にも種類があるのですか?
高橋先生
そうですね。肥満症の分類にもいくつかの方法がありますが、脂肪のつき方によって分けると、『皮下脂肪型肥満』と『内臓脂肪型肥満』の2つのタイプがあります。
編集部
それぞれについて教えてください。
高橋先生
皮下脂肪型肥満は、皮膚の下、とくに下腹部やお尻から太ももにかけてなど、下半身に脂肪がついた肥満で、女性に多いとされています。冷えやすいなどの特徴があり、見た目はいわゆる下半身がふっくらしている「洋ナシ体型」であることが多いと言われています。
編集部
内臓脂肪型肥満はどうですか?
高橋先生
内臓脂肪型肥満は、文字通り内臓の周りに脂肪がついた肥満です。見た目はそこまでではないのに体脂肪率の高い「隠れ肥満」の人や、ほかの部分は太くないのにお腹だけがぽっこり出ている人はこのタイプが多く、比較的男性によく見られると言われています。お腹だけが出ているので、見た目はりんごのような体型と言われることが多いです。
配信: Medical DOC