接客をする際、仕事のモチベーションを上げ、売上を上げるにはどうしたらいいのか。そんな接客業の悩みを解決してくれる1冊が『接客モチベーション大全100』(柴田昌孝著・イラスト、ぱる出版刊)だ。
本書では、店舗ビジネスラボ代表、 店舗経営コンサルタント、セミナー講師の柴田昌孝氏が、長年接客業に携わり、社長・コンサルタント・セミナー講師として 5万人以上の店員に指導経験から、お客様目線や自分磨きの大切さといった基本から接客の技能や売る技術に至るまでを100個のワードに厳選して紹介する。
■「売ること」へのプレッシャーでモチベーションが落ちる
良い接客をするために、攻略すべきはお客様ではなく、自分自身だ。好感度の高い接客をするためには、まずは基本を押さえること。たとえば、接客業に必要なものは、また会いたいと思わせる人間力だ。接客に必要な人間力とは、日常のちょっとした気配りのこと。店で重たそうな荷物を持ったお客様がいれば「お荷物、お預かりしましょうか?」、冷房の効いた店内であれば「寒くありませんか?」といった一言をかける。このような当たり前の気配りこそが、接客に必要なものとなる。
また、「毎日、売れ売れと言われているようで、やりがいが持てない」という悩みを抱えている場合、「どの仕事もやりがいというのは、目的の捉え方次第ではないか」と考えることだ。店員の目的は、売上を作ることではなく、お客様に「ありがとう」と感じてもらうことと考える。接客業は一見、「ありがとう」を言う仕事のように思えるが、実は「ありがとう」と言ってもらう仕事だ。仕事のやりがいというのは、表層的な目的ではなく、その行為がどう相手に役立つのか、どう相手の気持ちに繋がっていくのか、という本質的な目的を理解することが重要となる。それを捉えることのできる人が、どんな仕事でもやりがいや誇りを持てる。人の役に立ち、必要とされる実感こそが、やりがいであると著者の柴田氏は述べる。
「モチベーションなき接客は、作業である」というのが、柴田氏が長年接客業に携わり、出した答えだという。接客業に携わる人の問題や悩みに対応している本書からその答えを導き出し、意欲と技術の両論、お客様満足と売上の両立を目指してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
配信: 新刊JPニュース