ステロイド軟膏は5段階の強さ(ランク)に分けられているそうです。症状の強さ、使用する部位、年齢などで使い分けされていると、薬剤師の川村さんは言います。ステロイドの効果や成分などについても解説してもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【ステロイド軟膏の副作用にまつわるウソ・ホント 使用時の注意点を薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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監修薬剤師:
川村 文栄(薬剤師)
総合大学薬学部薬学科卒業後、大手製薬メーカーにて医薬品申請業務に従事。ブランクを経て再就職。公立病院・調剤薬局にて勤務。各診療科の処方箋を応需、管理業務も経験。現在も調剤薬局に在籍しながら、医療ライターとして活動中。
編集部
ステロイド軟膏の効果にはどのようなものがありますか?
川村さん
強力な抗炎症作用、簡単に言うと炎症をおさえる効果が一番大きいですね。湿疹やアトピー性皮膚炎などで炎症が起こると、かゆみやカサカサ、ジュクジュク、赤みといった症状が表れます。ステロイド軟膏はこの炎症を鎮める効果がとても強い薬になります。ほかにも免疫抑制作用や細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などがあります。
編集部
ステロイド軟膏の成分について教えてください。
川村さん
合成副腎皮質ホルモンです。もともと副腎という臓器で作られる副腎皮質ホルモンに強い抗炎症作用があることがわかっており、これを化学的に合成し、炎症をおさえる薬として販売されたものですね。
編集部
ステロイド軟膏に強い弱いなどの種類はありますか?
川村さん
病院で処方されるステロイド軟膏は5段階の強さ(ランク)に分けられます。効果が高い順に「strongest」「very strong」「strong」「medium」「weak」と呼ばれており、軽い症状や皮膚が未発達の乳幼児、皮膚の薄いところ、毛穴の多いところには弱いものを、症状が強いところや皮膚の厚いところ、吸収しにくいところには強めのものをといった具合に、症状の強さ、使用する部位、年齢などで使い分けられます。また、種類としては軟膏・クリーム・液体などがあって、感触や季節、使う部分などで使いわけます。軟膏はべたつくことがありますが、刺激は少ない薬になっており、クリームの方が皮膚への吸収はいいとされています。
配信: Medical DOC
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