サッカーの楽しさを入り口に 防災を「自分ごと」化したい 元Jリーガー・石川直宏さん②

各界で活躍する方々に防災に関する取り組みなどを語っていただく「防災ニッポンボイス」。今シリーズは、元Jリーガーの石川直宏さんです。2回目は、サッカーの「楽しさ」を入り口に、子どもたちが防災について学びながら体を動かす「サッカー防災ディフェンス・アクション」について話していただきます。

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サッカーを通して様々な価値を提供する「ソーシャルフットボール」

「ソナエルJapan杯」以外にも、サッカーを通じて様々な価値を提供する「ソーシャルフットボール」という活動をしています。サッカー×防災のほか、共生社会の実現に向けた、障害を持つ人たちと一緒にサッカーをする「インクルーシブフットボール」などです。

子どもが盛り上がる「ディフェンス・アクション」

サッカー×防災の一つである「サッカー防災ディフェンス・アクション」では、「HITOTOWA」という会社と一緒に、サッカーやフットサルをしながら、防災・減災を体感するワークショップなどに取り組んでいます。

グラウンドでの「ディフェンス・アクション」はとてもユニークです。

「地震」「津波」…プラカードが出たらすぐ行動!

まず行うのが「ファースト・アクション」。サッカーのウォーミングアップとして、ジョギングなどをするのですが、その途中で、「地震」「火事」「津波」という災害の種類が書かれたプラカードがホイッスルの音に合わせて掲げられます。それを見た参加者は、その災害が発生したという想定で、適した初期行動(ファースト・アクション)をすぐに取らなければなりません。


ファースト・アクションで「火災」のプラカードが掲げられたら、煙を吸わないように鼻と口にハンカチなどを当て、姿勢を低くして逃げなければならない(写真提供:HITOTOWA INC.)

例えば「地震」であれば、頭と目を保護しながらしゃがむ、「津波」であれば、グラウンド内に設定された「山」に向かって一目散に走る、などです。周りの状況を判断し、すぐ反応できるようにするのが狙いです。

グループに分かれて競う「パス・ストック」というメニューもあります。まず、各グループにストック(備蓄品)のリストが渡されます。たくさんある備蓄品のうち、誰がどれをどう覚えるかなど、他のグループに勝つための戦略をみんなで練り、それぞれ記憶します。本番では、「トイレットペーパー」とか「電池」とか「ヘルメット」とか、リストにある備蓄品を1個ずつ言ってから、次の子にパスを送ります。一番たくさんパスができたグループが勝ちです。


「パス・ストック」のリストにある備蓄品を真剣に覚える子どもたち。仲間同士の助け合いも重要(写真提供:HITOTOWA INC.)