好感度の上昇が止まらないやす子の“新たな挑戦”に注目。「自分を殺した」演技が凄まじい

好感度の上昇が止まらないやす子の“新たな挑戦”に注目。「自分を殺した」演技が凄まじい

炎上騒動に巻き込まれた現実があるからこそ……


 やす子は、最近では炎上騒動に巻き込まれてしまうも、本人の人柄と、その時々の対応を持って、好感度を保ち続けて……いや、もはや好感度は天井知らずとなっている。

 フワちゃんのX(旧Twitter)での暴言に対する、「とっても悲しい」のシンプルかつ本質が伝わってくる投稿や、その後「めちゃくちゃ許しています」「明るい言葉を発信したい」などといった前向きな姿勢も称賛されている。はたまた、「何も言わなかったら→許してない!最低!許しまーす!→許すな!最低!なんでやねーーーん!!!」と、事実と異なる記事や悪質なリプが寄せられたことさえも、正論そのもので納得ができるギャグへと昇華したこともあった。

 24時間テレビでは、昨年の寄付金の着服の報道をはじめ、台風の接近により競技場内のコースを走らせること、そもそものチャリティー番組としての欺瞞的な要素など、多数の批判がネット上に溢れかえることになったが、もちろんやす子本人への批判はほとんどない。

 それどころか、炎上騒動の中でも「ただひとつ信じられる存在」のように、好感度は止まらない。やす子がそれまで培ってきたイメージと、そのマラソンそのものの奮闘の相乗効果に加えて、24時間テレビへの批判もむしろ追い風になったのだろう。

やす子の状況を気の毒に思う人にも見てほしい


 大ブレイクを果たして天狗になってもおかしくないのに、さらに望まずして炎上の渦中にいてもなお、視聴者を癒しつづけるやす子は本当に素晴らしいタレントだ。その上で、本人には非がまったくないにも関わらず、それらの炎上騒動に巻き込まれたことが改めて気の毒にも思う。

 そのような状況に心苦しさを覚えた人も、ぜひ『きみの色』を観てみてほしい。作品そのものが、悪い人がひとりも出てこず、人間関係がギスギスしたりしない。ずっと穏やかでふわふわとした雰囲気に満ち満ちていて、癒し効果は抜群で、その中でも気の置けない親友としての距離感が心地よい、百道さくというキャラクターおよび、やす子の演技がさらにほわほわとした楽しさをプラスしてくれるのだから。

 なお、『きみの色』メインの3人は1600人に及ぶオーディションから選ばれており、鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖という若手俳優が、それぞれに秘密を抱えた個性的で愛おしいキャラを好演している。

 さらに、見守る立場のシスター役の新垣結衣が、落ち着いた話し方の中にある優しさと、後半で明かされる「秘密」にもつながる、奥行きのある演技にも聴きいってほしい。

<文/ヒナタカ>

【ヒナタカ】
WEB媒体「All About ニュース」「ねとらぼ」「CINEMAS+」、紙媒体『月刊総務』などで記事を執筆中の映画ライター。Xアカウント:@HinatakaJeF

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