料理研究家リュウジさんとゲストがお互いのレシピをトレードし、料理をしながら語り合う本連載。今回のゲストは、リュウジさんがリスペクトしてやまない料理研究家の山本ゆりさんです。
前編では、ゆりさんの「ザクザク塩レモンチキン」をリュウジさんが作りました。後編では、リュウジさんの「革命ローストポーク」をゆりさんが作ります。ゆりさんのローストポークレシピとは手順が違うこのレシピ、はたしてどんな料理になるのでしょうか……?
このレシピトレードの様子はリュウジさんのYouTubeチャンネルでもお届け。料理研究家として第一線で活躍する二人の「料理研究家あるある」トークにも注目です!
⾰命ローストポーク
材料
豚ロースブロック…350g塩…3.5gこしょうおろしにんにく…1⽚
オリーブオイル⽟ねぎ…60g⽇本酒…150ccコンソメ…⼩さじ1塩…ひとつまみバター…20g薄⼒粉…⼩さじ1/3こしょう
作り方
1. 豚ロースブロックに重量の 1%の塩、こしょう、おろしにんにくをすり込み、15分お く。2. オリーブオイルで全体を焼いてあら熱を取り、ラップをして 600W3分10秒チンしてア ルミホイルにくるみ、タオルを巻くかミトンに入れて20分おく。3. ポークを焼いたフライパンで⽟ねぎを炒め、⽇本酒、コンソメ、塩を加えて煮詰め、バ ターと薄⼒粉を混ぜたものでとろみをつけ、⾁汁、こしょうを加える。4. 切り分けた⾁に3をかけ完成。
料理研究家は使える素材が限られる
今回はゆりさんに僕の革命ローストポークを作ってもらいます。これはレンジもフライパンも両方使うレシピなの。簡単で失敗しにくいし、かなり「おもてなし感」も演出できるよ。
楽しみ~!
まず、玉ねぎをみじん切りにします。
うわー、苦手!
ゆりさんが苦手なわけないでしょ。
いや、ほんまにね、最近はぶんぶんチョッパーに頼りきりやから。
味を染み込みやすくするために、お肉に穴を開けます。フォークでもいいんだけど、このミートソフターを使うと早いよ。筋切りもできるし。
うわ、なんか気持ちいい感触!これいいですね、鶏皮に穴を開けるときにもよさそう。
そうそう、鶏皮はフォークだと力が要るからね。
お肉の重さの1%の塩で下味をつけます。このお肉なら、塩は3.5gだから小さじ半分ちょい。そのあと、こしょうを両面にまんべんなくかけてください。僕は、下味にはテーブルこしょうを使って、仕上げには粗挽き黒こしょうを使うことが多いね。
「味・塩こしょう」は使わない?
使う。あれ、おいしいよね。
めっちゃおいしいですよね!私もよく使います。
次はにんにくをすりおろします。これはチューブより生にんにくを使ってほしいかな。そのほうが絶対においしいから。
にんにくは余ったら冷凍できますしね。
そうそう。「生にんにくをおろすと手ににおいがつくから嫌だ」という人もいるけど、僕は手についたにおいをアテに酒を飲むね。
いい!にんにくの香りは幸せの香りですからね。
ここで15分おいて、お肉に下味をなじませます。その間、トークタイムにしましょう。
リュウジさんって「うまみ」へのこだわりがすごいですよね。
うん、うまみをつけると市販の味に近づくから。「〇〇の素」として売られている調味料って、ほとんどアミノ酸が入っているんだよね。だからアミノ酸でうまみを出せば、売り物の味が家で作れる。その成功体験があるから続けてる感じ。
やっぱり最初に作ったときに「これおいしい!」って言われないと、次からも作る気にならないですよね。
そうなんだよね。だから、「うまい!」って言わせるためにはっきりとした味付けになる。ゆりさんも、僕よりはやさしいけどけっこうはっきりした味付けだよね。
はい。ちょっといいお店の料理とか、料理人の方のレシピって、シンプルに塩だけだったり、素材を活かしてて、めちゃめちゃおいしいじゃないですか。でもそれは、いいお肉で、いい油で、いい塩で作ってるという前提があったりする。スーパーで買った一番安いお肉で「うまい!」と思える味にするのは、また変わってきますよね。
そう!だから僕らが「まずA5ランクの黒毛和牛を用意してください」って言い出したら、それは叩かれていい(笑)。
配信: アイスム