AIに負けない力を育てる アート教育

AIに負けない力を育てる アート教育

AIに負けない力を育てる
アート教育

AIがますます発展するであろう将来、子どもたちがAIに負けない力を身に付けるには?最近注目のアート教育について、キッズアーティストConocaさんのママと、アートテラー・とに~さんに聞きました。
※下のアートはいずれもConocaさんの作品

左/「大地と蒼と」力強い生命力を表現。第59回昭和会展で展示
右/「Rana」奈良の鹿を色鉛筆画で表現

左/「エリマキトカゲ」Conocaさんらしいカラフルな色使いのアクリル画
右/「奇跡の犬 アレックス」トルコ地震で22日ぶりに救出された犬のアレックスと気球を描き、トルコ大使館に寄贈

すべての始まりはママのInstagram投稿から
独自に生み出した「つぶつぶアート」が特徴的な、キッズアーティストConocaさん。
実は、ママの恵子さんがInstagramに投稿したことで注目され、その活動がスタートしたそう。

教えてくれたのは 千葉恵⼦さん
Conocaさん(13歳)と長男(8歳)の⼆児の⺟。Conocaさんの作品をインスタに投稿し、キッズアーティストとしての活躍の場を広げる。
Conoca さん
2011年⽣まれ。オフィスANRI所属。6歳で「世界児童画展」の佳作受賞、9歳で「つぶつぶアート」のスタイルを確⽴、以後展⽰会や雑誌などの媒体で活躍。11月にパリで開催されるグループ展「結Yui」で初めて海外のギャラリー展示に参加。
公式HP / https://conoca-art.com
公式Instagram / @conoca1524

Point 1
「ご飯を食べていける人」に育てたかった

Q
幼少期、Conocaさんはどのような子どもでしたか?

A 積み木など、手指を使う創作系の遊びを夢中で楽しむ子どもでした。好奇心旺盛で習い事もサッカーや英語、演劇、フラダンスなど多彩に経験。中でも表現することが好きで、絵を描くこともその一つだったように思います。子どもが集中している時はできるだけそっとしていたら、その間家事がはかどりました(笑)。

幼少期から、全く人見知りしない性格だったそう

Q
子育てやアート活動では、どんなことを意識していましたか?

A 子どものために我慢するのではなく、一緒にワクワクしたいと、InstagramにConocaの絵を投稿。すると、多くの人から「インスタを見た」と声を掛けてもらえるようになりました。また、子どもにはやりたいことを自分で決めて続けてほしい、そして社会的に「ご飯を食べていける」ノウハウを身に付けてほしいと、絵をハガキやTシャツにしてマルシェでConocaが販売。展示会出展を促すなど、彼女の創作環境を積極的に広げていきました。

Conocaさんが、描いた絵などをマルシェで販売している様子

Point 2
「個性」に寄り添いながら社会性を育む

Q
アーティスト活動を行う中でConocaさんのどんな力が培われましたか?

A 好きなことをやり続けるために、どんな努力をするべきかを考え、それを実行に移す力は必然的に培われてきたかと思います。例えば作品を作り続ける上で、集中力、根気、観察力、表現力、想像力などが身に付きました。そして、展示会やグループ展に出展することで、物怖じしない力とコミュニケーション能力が身に付きました。

Q
AIにはない、アートが持つ力はどんなものでしょう?

A 今、Conocaは絶滅危惧種の動物を知ってもらうために絵を描いています。このような絵の背景にある彼女の感情やメッセージはAIにはないものだと思います。人間にしか持ち得ない、表現の源となる“思い”は一人一人違いますし、それが個性にもなります。子どもの個性に向き合いながら、社会性も伸ばしていけるような環境を作れたらと思っています。

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「正解も不正解もない!
アート鑑賞は自由なもの」

正解も不正解もない!
アート鑑賞は自由なもの

読者アンケートで「子どもにアートに触れてほしい」と回答した人は97.7% 。とはいえ、どこに行くと楽しめるのか、子どもが静かにできるのかなど不安も多いようです。
今回はアートテラー・とに〜さんに、親子でのアート鑑賞のコツを聞きました。
※データはあんふぁん読者へ2024年5月8日~ 6月4日に実施したアンケートから。回答数2832

教えてくれたのは アートテラー・とに〜さん
千葉大学卒業後、吉本興業所属のお笑い芸人に。当時の相方から影響を受け、趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、芸人からアートテラーへ。現在、美術館での講演やアートツアーの企画運営やメディア出演など、幅広く活躍中。
公式ブログ/ https://ameblo.jp/artony/

アートは…
どんなことを感じてもOK!
人によっていろいろな感想がある!

Q
アートって難しいイメージがありますが、幼児も楽しめるのでしょうか?

A 「アートは難しい、分からない」と大人は考えがちですが、お笑いも「なんか分からないけど面白い」と感じることがありますよね。アートも同じで、分かろうとしなくて大丈夫! 「この人物は何をしている?」と一緒に想像したり、「動物がいるね」と絵から得た発見を話したり、と作品を見ながら自由に会話をしましょう。そこから話が広がり、子どもの好きな色や柄、興味があるものなど、新たな気付きがあるかもしれません。

Q
親子で気兼ねなくアート鑑賞ができる施設を教えてください。

A 世界最初の絵本美術館として開館した「ちひろ美術館」(東京都練馬区・長野県松川村)は、「ファーストミュージアム」のコンセプトを持ち、美術館を初めて訪れる子どもを歓迎しています。また、彫刻の森美術館(神奈川県足柄下郡)は野外にアートが展示されているので、公園感覚で楽しめます。最近は、声の大きさを気にせず鑑賞できる「トークフリーデー」や子ども向けのワークショップを行う美術館も増えているので、気軽に訪れてみて。

Q
親子でアート鑑賞をすることで、どんな力が育まれますか?

A アニメや動画は観ているだけで内容が入ってきますが、アートは「何が描かれている?」「この人の気持ちは?」など親子で会話をしながら子どもが自分で考えることで想像力が育まれます。想像力は、「人の気持ちを理解すること」「自分の考えを持つこと」などの土台になるもの。人が社会で生きていくためにとても大切なものですよね。

Q
美術館やアートとの付き合い方のポイントなどを教えてください。

A 美術館はいつ退館してもいいので「子どもが興味を持てなかったら、出よう」と思って行くと気も楽ですし、展示物だけではなく建物や周りも含めた空間を楽しむと良いと思います。また、美術にはいろいろなジャンルがあるので、興味を持てなかったイコール、アートを楽しめなかったではなく、次は違う分野の美術館に行ってみる、という考え方をしてみてはいかがでしょうか。

とに〜流 アート鑑賞3箇条

① 何を感じて、何を言っても良い
「変な形の絵!」「絵の端の鳥が気になる」など何を感じても良いのがアート鑑賞。子どもにも自由に感想を言ってもらいましょう。
② 誰かと一緒に行ってみる
100人いたら100通りの感想があるはず。子どもや家族と、その場で感じたことを伝え合ってみて。その場で感想を言い合えるのはアート鑑賞の大きな特徴。映画鑑賞や読書ではどうしても感想は後からの共有になりますよね。
③ タイムスリップする気持ちで楽しむ
何百年も前に描かれた絵が、今目の前にあるってすごいことだと思いませんか? 古い絵を鑑賞するときは、当時何が起きていたんだろうと想像してタイムスリップを楽しんでみるのもおすすめ。

最初のページは
「すべての始まりは
ママのInstagram投稿から」

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あんふぁんWeb
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全国の幼稚園にお届けするフリーマガジン・あんふぁんの公式サイト「あんふぁんWeb」は、園児ママのための子育て情報サイト。「心がふっと軽くなる! ママ発信の子育て共感メディア」をコンセプトに、自身の実体験やクチコミなど、子育てに役立つ情報をお届けしています。
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