「子どもが命を失うリスクも…」話題の不登校支援サービスに精神科医が警鐘。運営元の代表を直撃すると

「子どもが命を失うリスクも…」話題の不登校支援サービスに精神科医が警鐘。運営元の代表を直撃すると

“学校へ行っても行かなくても、あなたは価値のある存在”

 最後に、自身の長女も不登校が続いているというさわ先生に、親御さんたちに伝えたいことを聞きました。

「私も最初は『学校に行かせなければいけない』と思っていました。でもあるとき、これって子どものことを思っているようで、『学校に行かない娘がどうなるのか想像できない』という私自身の不安からくるものなんじゃないかと思ったんですよね。

今は不登校の子どもにもたくさんの選択肢があると知って、そういったものをいろいろと取り入れていくなかで、必ずしも学校に再登校させるだけがゴールではないということを私自身も納得感をもって受け入れられるようになりました。子どものことで悩んだとき、どこまでが親である自分の不安で、どこまでが子ども本人の課題なのか境界線を意識することがまずはとても大切だと思います」

 さわ先生は改めて「焦って再登校を目指す必要はない」と強調します。

「教育現場の実情を知ると、すべての子どもが学校に適応するのは不可能だと感じます。学校に合わないのなら、その子に合った環境を調整してあげることが、子どもの心を守るために重要です。子どもが学校に行けないからといって、あなたの子育てが悪いわけではないし、お子さんがダメなわけでもありません。

そしてお子さんにも『学校へ行っても行かなくても、あなたの価値には変わりがないんだよ。学校に行けなくてもあなたのこと大好きだよ』と、ぜひ言葉にして伝えていってくださいね」

編集部がスダチ代表を直撃すると


 さわ先生への取材後、女子SPA!編集部はスダチ代表・小川涼太郎氏にさわ先生からの指摘を踏まえたいくつかの質問をメール送付しました。

 すると電話にて、小川氏本人より「記事末に回答を掲載する構成では、スダチがネガティブな印象になってしまうため、回答を控えたい」といった旨を伝えられたため、後日改めて、本記事で指摘があったポイントをすべて盛り込んだ質問状と、「別記事にて小川氏のコメントを掲載したい」との旨をメールしました。

 しかしそれに対しても、「大変申し訳ございませんが、いただいた回答は差し控えさせてください。今回いただいた質問は、どのように回答してもネガティブな印象になる可能性がありそうですので。(そもそも弊社へネガティブな印象を持った上で、批判的な記事を書くための質問に受け取れてしまいます)」(メール原文ママ)との返信が。

 メールには参照先としてスダチのYouTubeチャンネルにて配信されている無料オンラインセミナー動画や小川代表のドキュメンタリー映像「スダチのこれまでと今後の未来」等のURLが記載されていました。

【精神科医さわ】

児童精神科医。精神保健指定医、精神科専門医、公認心理師。名古屋市「塩釜口こころクリニック」院長。開業直後から予約が殺到し、現在も毎月約400人の親子の診察を行っている。これまで延べ3万人以上の診察に携わっている。2023年11月医療法人霜月之会理事長となる。近著に『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』

<取材・文/都田ミツコ(スダチ・小川代表への取材は女子SPA!編集部による)>

【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。

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