宮城県旧南方町(登米市)
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧南方町(登米市)を写真とともに紹介する。
Vol.302/宮城県旧南方町(登米市)
次にやってきたのは、旧南方町だ。迫川の低湿地にあり、景色も平野を感じることが多かった。
まずは、旧南方町の市街地を通ったところ、県道1号線からひとつ北側に並行して小さな道が通っており、そこに住宅街が並んでいた。店構えをしている建物もあるけれど、どちらかというと暮らしとしての住宅が多いようだ。その道路と県道1号線がわかりやすく結ばれている箇所は、道幅が広く、旧南方町らしい風景だと感じられた。もちろん、その風景は「ふつう」と言ってしまえばふつうなのだろうが、これまで旅した地域のふつうとは違うのだった。すなわち、ふつうの風景の中にも、その土地の持つ匂いがあるのだと思う。
旧南方町へ
印象的な信号だ
興福寺。山の中に静かに
隣の展望台にも上がってみた
畑と平野
道の駅みなみかた(もっこりの里)
その後、興福寺というお寺へ向かった。大嶽山に位置するお寺で、これまで平野部が多かった分、深い森に感じられる。奥州三十三観音霊場第十番札所で、ひっそり佇んでいながらも、堂々たる古刹だった。地図を見ると、ここは奥州と仙台の中間地点あたりに位置するし、「奥州三十三観音」の霊所であることも、なるほどなあと思ったのだった。
また、隣の展望台へ上がってみると、畑と平野が広がっていた。やはり、全体的には平らな地形が多くを占めていた。
ちなみに、移動中に「道の駅みなみかた」を通過したけれど、「もっこりの里」という愛称もあった。看板の絵のキャラクターは大きな力こぶを披露している。地域を元気に盛りあげるキャッチフレーズだそうで、こういう地域性も面白いなあと思ったのだった。
(仁科勝介)
写真家プロフィール
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247
配信: STRAIGHT PRESS
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