漫画は子どものコミュニケーション能力向上に役立つか?
イラスト・マンガ教室egacoを運営する「Smiles.」が、教育ツールとしての漫画の有用性を調査する目的で「コミュニケーション能力が育つ漫画」についてアンケートを実施し、その結果を発表しました。調査は、2024年8月16日(金)、20~50代の保護者500人を対象にインターネット上で行われました。※子どもの年齢は10代前半が最も多く約8割
子どもが読んでいる漫画の中で「コミュニケーション能力が育つ」と感じた作品として、『ハイキュー!!』が最も多くの支持を集めました。『ハイキュー!!』は、バレーボールを題材にしたスポーツ漫画であり、チームメイトとの協力や対話を通じて成長する姿が描かれています。特に、主人公たちが困難を乗り越える過程でのコミュニケーションや友情の描写が、読者にとって共感を呼び、コミュニケーション能力の育成に寄与していると考えられます。
次いで、『キングダム』が2位にランクインしました。『キングダム』は、中国の春秋戦国時代を舞台に、戦場での戦略やリーダーシップ、仲間との信頼関係を描いた作品です。戦略や交渉術、組織内のコミュニケーションが重要なテーマとして取り上げられており、これが子どもたちのコミュニケーション能力の向上に繋がっていると評価されています。
3位には、社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』がランクインしました。家族愛や仲間との絆を強調したこの作品は、キャラクター同士の深い対話や感情の交流が多く描かれており、それが読者に強く影響を与えているようです。
実際に、保護者は漫画がコミュニケーション能力向上に影響を与えると考えているのでしょうか。「お子さんのコミュニケーション能力に漫画がどの程度影響を与えていると感じますか?」という質問をしたところ、「あまり影響していない」が全体の39.8%と最も多く、次いで「影響していない」が32%となりました。約7割の保護者が、漫画はコミュニケーション能力に大きな影響を与えていないと感じていることが分かります。
一方、「影響している」と回答した方は22.6%、「非常に影響している」と答えた方は5.6%で少数派ですが、漫画に影響力があると考えているようです。
調査を行った「Smiles.」は、調査の目的について「漫画は人を変える力があると信じています。一方で子どもが触れられる作品の量、ひいてはその子が『人生を変えるような作品』に出会えるかどうかは保護者様の理解にかかっているとも感じます。そのため保護者様の考えを深く理解するためのヒントにすべく本調査を実施しました」といいます。今回の結果を受け、「漫画が教育的ツールとして活用される際には、内容やテーマに応じた選定が重要であることが示唆されます。コミュニケーション能力の育成に寄与する漫画の特性を理解し、適切な作品を子どもに提供することが、今後の課題となるでしょう」とコメントしています。
(LASISA編集部)
配信: LASISA
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