●猫まんまにお味噌汁派と鰹節派
その大まかな流派は、ご飯に鰹節を混ぜ込んだものとする「鰹節派」と、ご飯にお味噌汁をかける「お味噌汁派」の二派。ちなみに筆者は千葉出身で関東だが、猫まんまといえば「お味噌汁派」でした。関東関西という大きな地域差ではなく、もっと細かく分かれているのかも…。
どっちの猫まんま派が多いのだろう? Twitter上を検索してみると、鰹節派、お味噌汁派の意見が並ぶが、やはり私同様東京の出身でありながら、お味噌汁派の方の意見も。その他、鰹節とお味噌汁いずれの方法も猫まんま派もいるみたい。
●猫まんまの歴史をたどってみると起源は汁かけ?
そもそも猫まんまはいつごろ登場したのだろう? 調べてみると、北条氏政には「汁かけ飯」という有名なエピソードがあるそう。
北条氏政が飯に汁をかけて食べていた際、汁の適量を調整すべく足しながら食べていると、父・氏康から毎日飯を食べているのに汁の適量も覚えられないことを怒られたという逸話。北条氏政が生きていた時代は、1538年から1590年。今から約500年前には、すでに猫まんまに近しいレシピが存在していたということに…。意外と歴史が長いことにびっくり!
●猫に猫まんまを食べさせるのはオススメできない
ちなみに、猫まんまとはいいますが、「お味噌汁派」「鰹節派」いずれであっても、あまりお勧めはできません。というのも、猫は炭水化物の消化吸収能力が低く、腎臓の能力も人間より圧倒的に低いのです。人にとってちょうどよい塩辛さは、猫にとっては塩分過剰。また、お味噌汁の具材にネギやタマネギなどが入っていた場合はさらに危険。ネギのなかに含まれる成分が血液中の赤血球を破壊してしまいます。猫まんまは、人間だけで楽しみましょう。
とはいえ、あまり行儀が良いとされないから食べる機会は減っている印象。こんなに歴史があり、地域差があると知ると、なんだか食べたくなってきました…。 あなたの猫まんまは、「鰹節派」?「お味噌汁派」?
(文・猫飯坂ゆみ/考務店)